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アエロフロートロシア航空の事故にて手荷物を持っての避難で、避難が遅れたとの指摘 【緊急時の避難を再確認】

アエロフロートロシア航空のSU1492便の事故において、緊急脱出の際に手荷物を持って避難した乗客の影響で避難が遅れたと現地メディアが指摘しています。今回の事故は現在までで41名の犠牲者が確認されています。

航空機は緊急脱出の際90秒で全ての乗客が避難、脱出できるように設計されており、これは国際法に基づいた基準となります。この90秒には、一部非常口が使えなくなったことも想定しての時間となっていますが、乗客が手荷物を持って避難することは想定していない可能性があります。

緊急脱出時は、全社共通して乗客に求められる決まり事があります。

  1. 手荷物を持たない →避難の妨げになる シューターを破損させる可能性
  2. ハイヒールを脱ぐ →シューターを破損させる可能性

よく問題視されるのが手荷物を持っての避難となり、ここ何年かで発生した日本の緊急脱出時の事例でも、手荷物を持った避難が確認されています。
具体的な例を挙げると、2016年の日本航空3512便の新千歳空港での緊急脱出、同じく2016年の羽田空港での大韓航空2708便での緊急脱出で手荷物を持った避難が確認されています。
日本航空の緊急脱出の際には、非常口前で客室乗務員が、手荷物を置いて避難するよう指示したことからコックピット入口前に荷物が積まれるという事象が起きており、乗務員の避難を妨げる可能性があったことも事故報告書で指摘されています。

今回のアエロフロート機の事故では、機体が停止する前から機体後方が火災になっていたことが明らかになっており一刻を争う事態にも関わらず、一部の乗客は荷物棚から荷物を取り出す作業をしてから避難した可能性があります。
多くの方は緊急脱出のようなシチュエーションに遭遇することは想定していないと思われますが、緊急脱出の際は手荷物は持たず避難することを再確認する必要があります。
画像引用:Aeroflot Airlines

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