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カンタス航空、B787もモハーベ砂漠で保管へ カンタスが豪州アリススプリングスではなく米国を選ぶ訳

カンタス航空は、新型コロナウイルスの影響による航空需要の低下により、B747を早期退役させ、A380をアメリカ・カリフォルニア州のモハーベ砂漠で保管していますが、B787-9型機も来月から長期保管のため同施設にフェリーされることがわかりました。

現在同社は、B787-9型機を11機保有していますが、緊急的な運用を想定し、一部機体を残し、大半の機体が9月からフェリーされ長期保管に入る模様です。カンタス航空のAlan Joyce CEOは、今後数年間大幅に収益が減少することから、短期的に小さな航空会社になるとしており、今回の措置はその取り組みの一環となります。

また、オーストラリアにはモハーベ砂漠と同様の用途として存在する、アリススプリングスの施設もありますが、カンタス航空は遠方となるアメリカのモハーベ砂漠を選択するのは、既にご存知の方も多いと思いますが、以下のようにいくつかの理由があります。

・整備拠点が同じくカリフォルニアのロサンゼルス空港にあること
・同じ砂漠でもモハーベ砂漠のほうが湿度が低く、長期保管に適している
・施設使用料が安価である
・施設の受け入れ能力が、モハーベ砂漠の方が高い(現にアリススプリングスは逼迫状態)

同社は、2017年にロサンゼルス国際空港内の整備拠点を拡張し、アメリカ路線に就航するA380・B747(退役済)・B787の整備が可能となっており、この現地スタッフがモハーベ砂漠の機体も同施設と連携し管理するものとみられています。なおこの整備拠点では同時に4機の機体を整備する能力があります。

既に保管済みのA380は、2023年まで保管されることが発表されていますが、B787は、A380よりも早く復帰する事が予想されるものの、しばらく砂漠地帯で羽を休めることになり、その他エアラインも同様の措置を取る可能性が高く、モハーベ砂漠の施設は活況を呈することになりそうです。

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