国際航空運送協会(IATA)は、2020年下半期の業界の状況を予測し、航空会社は合計で770億ドル(8兆1,300億円)をキャッシュアウトするとの推計を発表しました。
この数字は、1分あたりに換算すると約3,200万円となります。既に2020年第2四半期では、510億ドルがキャッシュアウトしたと推計されており、それに加え今回の金額が積み重なることになり、今後も資金難に陥り事業を閉鎖する事業者が出てきてもおかしくない状態です。また旅行需要の回復は当初の予想よりも遅れていることが発表されており、今後も航空業界は厳しい見通しとなります。
これまでに各国政府は1,600億ドル規模の支援を行い航空会社の事業継続を支援していますが、一部アナリストの予測では黒字に転換するのは早くとも2022年としており、それまでの期間に耐える体力が必要で、今後も政府の支援などが欠かせないとしています。なお現状では平均して今後約9カ月分の現金しかない状況となっており、予測される2022年までは体力がもたない試算となります。
新型コロナウイルの影響を受ける以前の需要に回復するのは2024年と予想されており、これ時期までに事業閉鎖に追い込まれるエアラインは増えるものと考えられます。Photo : Hong Kong International Airport