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韓国の新興LCCとなるエアプレミア・エアロK・フライカンウォンの現状

韓国では、計3社の新興LCCが事業免許を取得しましたが、その後の新型コロナウイルスの影響により、当初の計画から大幅に変更を余儀なくされています。今回は、簡単になりますがここまでの3社の現状を紹介させて頂きます。

◇フライカンウォン◇
襄陽空港(ヤンヤン)を拠点
とするフライカンウォンは、新興勢の中で唯一就航に漕ぎつけたエアラインとなります。2019年11月に就航し、直後に新型コロナウイルスの影響を受けたことから、一度も経営を軌道に乗せることなく、大幅な赤字を垂れ流しる状態とみられており、一時は経営継続が危ぶまれましたが、先日60億ウォンの支援を受けたことから、当面は事業を継続できる見込みです。なお同社は否定しているものの、これ以上資金繰りが悪化すると、売却にに向けて動き出すとの報道もあります。

◇エアロケイ◇
清州空港を拠点とするエアロケイは、先日当局からAOC(航空運送事業許可)を取得したことが発表され、早ければ今月中にも清州~チェジュ線に就航する見込みとなっています。しかしながら、新型コロナウイルスの影響を受け、国際線が運航できない他社が国内線数を増やした結果、同路線は大韓航空、アシアナ航空、チェジュ航空、ジンエアー、ティーウェイ航空、エアソウルが競合する路線になっており、環境は当初計画よりも大幅に悪化しています。また運転資金の確保に動いていると報道されていますが、今後確保できるかは不透明な状況です。

◇エアプレミア◇
仁川空港を拠点とし、国際中長距離路線に就航する計画のエアプレミアは、機材の受領が遅れているほか、未だにAOCを受けていない状態となっています。航空当局は、事業免許の交付後2年以内に就航していない場合、免許を取り消すことが可能となっていることから、資金繰りが悪化している状況を考えると、その可能性も否定できない状況です。

上記3社は、引き続き厳しい状況が続いており、ただでさえ乱立した韓国の航空市場であることから、新型コロナウイルスの影響が長引くことを考えると、今後事業継続を断念してもおかしくない状態となっています。

当初の計画では、全社が日本への乗り入れを計画していたことから、海外旅行が実質の解禁となれば、就航のハードルが低い日本路線には、韓国勢が群をなして就航することが予想され、それまでに既存LCCを含め、全社が生き残っていることは難しい可能性があります。Photo:Airpremia

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