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2018年に発生したピーチの福岡空港での立ち往生した重大インシデントは、腐食によりネジが脱落したとの見方

運輸安全委員会は、2018年3月24日にピーチアビエーションのMM151便が福岡空港に着陸後、前輪が横を向いた状態で滑走路上で立ち往生した重大インシデントの調査報告書をまとめました。

調査報告書によると、同機が着陸滑走中に、上下のトルクリンクを接続するピンが脱落したため、前輪のステアリング制御ができなくなり、前輪が約90°横を向き、自走できなくなったものと推定されるとしました。


Photo : 運輸安全委員会

なおピンが脱落したのは、ピンのねじ部に腐食が発生したため、ねじ山の強度が低下し、ステアリング操作の際にトルクリンクからナットに伝わる荷重にピンのねじ部が耐えることができなくなり、ナットが抜けたことによるものと考えられ、ピンのねじ部に腐食が発生したことについては、機体製造以後、繰り返しピンとナットの取付け・取外しが行われたこと及びトルクリンクが誤って組み立てられたことによりカドミウムメッキが損傷し、耐腐食性が低下したためと考えられとしています。

Photo : 運輸安全委員会

また、前回の機体重整備時におけるピンの点検後の再取付け時に、ねじ部へのグリースの塗布が適切でなかったこと及びトルクリンクが誤って組み立てられたことが腐食の進行を早めた可能性が考えられるとの見解を示しています。(重整備は委託の整備会社が実施)

この重大インシデントを受けピーチは、再発防止策として同型機のピンの一斉点検を実施し、腐食が疑われるものを交換するなどし、機体重整備を他社へ委託する場合、ピンの点検作業を同社検査員による立会い検査項目として設定しています。

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