国土交通省、17年4月~9月の航空輸送の安全にかかわる情報を発表しました。
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重大インシデントは2017年9月5日発生の日本航空羽田発ニューヨーク着JL06便のみで、『安全上のトラブル』では会社グループ別では、※全日空グループ(全日本空輸、エアージャパン、ANAウイングス)が148件で最多でした。以下表では大手FSC、新興航空会社、LCCと色分けしてます。
※日本航空グループ(日本航空、日本トランスオーシャン航空、日本エアコミューター、ジェイエア、琉球エアーコミューター、北海道エアシステム)
エアアジアジャパンは10月29日就航なので、訓練中のものになります。
事業者 | 件数 |
全日空グループ | 148 |
日本航空グループ | 117 |
スカイマーク | 27 |
エアドゥ | 17 |
ソラシドエア | 9 |
スターフライヤー | 28 |
ピーチアビエーション | 21 |
ジェットスタージャパン | 22 |
バニラエア | 10 |
春秋航空日本 | 33 |
エアアジアジャパン | 1 |
本邦航空会社全体では、530件(前年同期547件)でした。また、航空機事故発生は0件(前年同期1件)、重大インシデント1件(前年同期3件)で前年同期よりも改善されています。
発生件数からみても、会社規模に比例している印象を受けますが、ソラシドエアは発生件数が少なく優秀、春秋航空日本は規模の割に多すぎますね。
以下各社のトラブル一例を5件ずつ紹介します。
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- 全日空グループ(148件)
1. 4月10日 羽田-鳥取 降下中、管制指示高度を逸脱した。
2. 5月2日 ロサンゼルス-成田 着陸後、第2エンジンの逆推力装置が正常に作動しなかった。
3. 7月7日 鹿児島-羽田 到着後、非常脱出装置の部品の位置に誤りがあることが判明した。
4. 7月26日 那覇-羽田 離陸後、第1エンジンの回転数が低下したことを示す計器表示があったため、引き返した。
5. 9月7日 厦門-成田 到着後、左主翼側非常脱出用スライドパネルの脱落を発見した。 - 日本航空グループ(117件)
1. 4月3日 羽田-福岡 離陸後、一部の整備作業が不完全であったことが判明したため、引き返した。
2. 4月5日 成田-伊丹 降下中、高揚力装置展開時の運用限界高度を超過した。3. 5月19日 羽田-高松 着陸時、機体尾部を滑走路に接触させた。
4. 7月27日 ボストン-成田 到着後、無申告危険物を輸送したことが判明した。
5. 9月20日 関西-新千歳 進入中、操作することが許容される位置を超えて、スピードブレーキレバーを操作した。 - スカイマーク(27件)
1. 4月3日 羽田-福岡 上昇中、管制指示高度を逸脱した。
2. 4月11日 定時整備中、胴体の構造部に腐食を発見した。
3. 5月8日 羽田-福岡 上昇中、ウインドシアー警報が不作動であることを示す計器表示があった。
4. 6月26日 福岡-羽田 飛行中、航法システムの精度が低下した。
5. 9月13日 福岡-那覇 進入中、対地接近警報装置の作動により回避操作を行った。 - エアドゥ(17件)
1. 4月7日 羽田-帯広 着陸後、第1エンジンの逆推力装置が正常に作動しなかった。
2. 6月1日 新千歳-羽田 進入中、航空機衝突防止装置の回避指示に従って回避操作を行った。
3. 6月11日 定時整備中、航空機用救命無線機が不作動であることを発見した。
4. 7月10日 羽田-新千歳 社内調査の結果、乗客用座席の部品に誤ったものが使用されていることが判明した。
5. 8月7日 羽田-函館 上昇中、管制指示高度を逸脱した。 - ソラシドエア(9件)
1. 4月22日 運航整備中、客室内の一部の非常用照明灯が点灯しないことを発見した。
2. 4月26日 運航整備中、客室内の一部の非常用照明灯が点灯しないことを発見した。
3. 6月28日 長崎-羽田 降下中、一部の整備作業が不完全であったことが判明した。
4. 6月29日 運航整備中、機体外部の非常用脱出スライドの照明が点灯しないことを発見した。
5. 8月29日 新石垣-那覇 着陸後、第1エンジンの逆推力装置が正常に作動しなかった。 - スターフライヤー(28件)
1. 4月11日 社内調査の結果、保管期限の超過したバッテリーが取り付けられていることが判明した。
2. 5月3日 北九州-羽田 上昇中、航空機衝突防止装置が不作動であることを示す計器表示があった。
3. 6月2日 北九州-羽田 離陸滑走中、鳥衝突により第1エンジンのファンケース内部が損傷し、離陸後、引き返した。
4. 9月3日 羽田-北九州 上昇中、対地接近警報装置が不作動であることを示す計器表示があった。
5. 9月21日 福岡-羽田 着陸後、高揚力装置(フラップ)に不具合が発生した。 - ピーチアビエーション(21件)
1. 4月29日 那覇-関西 飛行中、高揚力装置展開時の運用限界速度を超過した。
2. 5月26日 関西-松山 運航に必要な情報が運航乗務員に提供されていなかった。
3. 6月8日 那覇-関西 到着後、右主脚のタイヤの一部が剥離し欠落していることを発見した。
4. 8月14日 成田-関西 進入中、スタビライザートリムが正常に作動しなかった。
5. 9月4日 仁川-関西 降下中、高揚力装置展開時の運用限界速度を超過した。 - ジェットスタージャパン(22件)
1. 4月8日 熊本-成田 飛行中、対地接近警報装置が不作動であることを示す計器表示があった。
2. 5月4日 成田-那覇 地上走行中、対地接近警報装置が不作動であることを示す計器表示があった。
3. 6月7日 鹿児島-成田 上昇中、気流の擾乱による異常姿勢からの回復操作を行った。
4. 6月15日 マニラ-成田 安全監査の結果、非常灯のカーバーが誤って取り付けられていることが判明した。
5. 9月1日 那覇-成田 進入中、対地接近警報装置の作動により回避操作を行った。 - バニラエア(10件)
1. 5月23日 定時整備中、客室内の一部の非常用照明が点灯しないことを発見した。
2. 7月10日 香港-成田 飛行中、乗降用扉の閉位置が不完全であったことが判明した。
3. 7月29日 成田-函館 上昇中、航空機衝突防止装置の回避指示に従って回避操作を行った。
4. 8月18日 運航整備中、客室内の一部の非常用照明灯が点灯しないことを発見した。
5. 9月22日 地上走行中、一部の整備作業が不完全であったことが判明した。 - 春秋航空日本(33件)
1. 4月6日 佐賀-成田 上昇中、航空機衝突防止装置が不作動であることを示す計器表示があった。
2. 6月12日 関西-成田 飛行中、航法計器に不具合が発生した。
3. 7月20日 青森-成田 飛行中、許可を受けていない経路を飛行した。
4. 9月8日 成田-新千歳 運用許容基準の適用に不備があった。
5. 9月29日 成田-重慶 飛行中、機内に無申告危険物が持ち込まれていることを発見した。
いろいろトラブルが起きているように思えますが、人間が運航する以上間違いはどうしても起きてしまうので、そのトラブルを対処するように航空機は設計され、各社トラブル対処訓練を積んでいるので、そう驚くような数字ではないように思います。ただ、『安全上のトラブル』が減れば減るほど安心できますので、今後も減少傾向が続くと良いですね。今年は航空機事故0、重大インシデント0の年になることを期待してます!
出典資料: 国土交通省 航空輸送の安全にかかわる情報(平成29年度分上半期) 国土交通省 航空輸送の安全にかかわる情報(平成29年度分上半期)別冊
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