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アシアナ航空の売却危機 現在起きていること

昨日アシアナ航空が売却される可能性があることをお伝えしましたが、もう少し詳しく同社の現状をお伝えさせて頂きます。

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韓国の財閥系企業であり物流・製造・金融サービスを手掛ける錦湖(クムホ)アシアナグループのアシアナ航空は、昨年の時点で大きな負債を抱えており韓国開発銀行と経営再建へ向けた覚書の締結をしていました。

しかし、先月にリース航空機に関する整備費用やマイレージ管理における会計、子会社のLCCエアプサンの業績が不適切に処理されており、800億ウォンの新たな負債が見つかり、市場での取引が中止されその後株価が大幅下落するとともに、グループで6兆ウォンの負債を抱えるグループとなっていることがわかりました。

グループ全体で業績が悪化している大きな原因が、パク・サムグ前会長主導で立て続けに行った買収や、アシアナ航空の業績悪化が原因とされており、後者に関しては原油価格上昇、不採算路線、LCCのシェア拡大による収益率の低下とされています。

今回、同グループが韓国開発銀行へ5000億ウォンの支援を要請しましたが、銀行側は支援の条件として3年以内に経営再建が達成できなければ、アシアナ航空を売却する事を銀行側が決定しても合意するという内容や、元会長の妻と娘が保有する錦湖高速の株式を担保とすることを条件としたようです。
※錦湖高速は錦湖(クムホ)アシアナグループの頂点に位置する高速バス会社で、その下に錦湖産業、アシアナ航空と続く構図です。今回前会長一家の錦湖高速の株式が担保となることで銀行側がグループ全体を管理下に置くことになります。

年内の返済期日には、1兆3000億ウォンが必要となりますが、それすらも返済できるのかと不安視する声も聞かれます。アシアナグループは5000億ウォンで経営を立て直す計画としていますが、懐疑的な見方が多いのが実際のところとなっています。

今後は傘下のエアプサンやエアソウルの資産売却が検討されていることから、日本線にも多くの影響が出ることが予想されます。
錦湖(クムホ)アシアナグループは、誠意を尽くしアシアナ航空の再建を図るとしていますが、当面の運転資金を確保できたとしても今後も続く激しい競争の環境下で、どこまでアシアナ航空が健闘するのかが注目されます。
画像引用:Asiana Airlines

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