先日エミレーツ航空が、シンガポール航空に続きA380を退役させ機材を解体するニュースがありましたが、今後も同機を退役させる計画のエアラインは多数存在します。
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多くのエアラインを悩ませているのが、座席数の多さや就航空港が限られてしまう事とされており、中でも一番の悩みの種が燃費性能の悪さと指摘されています。
実際に2022年までに同機を退役させることを決定したエールフランス航空は、最新鋭機(A350など)に比べ1座席あたりの燃費性能が20%~25%劣るとしており、これが退役を決めた最大の理由としています。
画像引用:Airbus
またボーイングは、現在開発中のB777XがA350-1000に比べ1座席あたりの燃費性能が12%向上する機体となるとしていることから今後も最新鋭機との燃費の格差は広がっていくもの考えられており、高コストで投入路線も限られる機体となっていることから、オペレーター側には不人気の機体となっています。
実際に最高の燃費性能を誇ることになるB777Xを発注している8社(エミレーツ航空・ブリティッシュエアウェイズ・ルフトハンザドイツ航空・エティハド航空・カタール航空・シンガポール航空・ANA・キャセイパシフィック航空)のうち7社はA380の保有エアラインとなっていることからも各社燃費性能に敏感であることが読み取れます。
A380の保有機数世界1位を誇るエミレーツ航空のTim Clark社長はA380が中古市場では明らかに需要が無いとし、当初の予定よりも運用期間を長くすることも示唆しており、保有機数の多さから使い倒すことも視野に入れているようです。
現在のA380保有エアラインは、シンガポール航空・エミレーツ航空・カンタス航空・エールフランス・ルフトハンザドイツ航空・大韓航空・中国南方航空・マレーシア航空・タイ国際航空・ブリティッシュエアウェイズ・アシアナ航空・カタール航空・エティハド航空・ハイフライ航空・ANAの15社となっていますが、約半数が退役計画を公表または検討しているとされています。
エアラインファンには機体の大きさから人気のある機種ですが、エアライン側からすれば今後も頭を悩ませる不人気機種であり続け今後退役計画が加速するものと推測されます。
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