エミレーツ航空のTim Clark CEOは、自社の主力機であるA380において他社が不採算機種としていることに触れ、エールフランス・ブリティッシュエアウェイズ・ルフトハンザは同機の使い方が間違っていると指摘しました。
エミレーツ航空は113機目となるA380を2019年11月11日に受領し、エアバスのA380の生産終了までに更に10機を受領する予定となっています。
画像引用:Emirates
今回海外紙のインタビューに答えた同氏は、エールフランスのCEOがA380は時代遅れで運航を維持するのが難しいといった発言について言及し、エールフランスをはじめ多くのエアラインはA380の使い方を間違っていると指摘しています。
エールフランスを例に挙げると同社は10機しか保有していないことからスケールメリットを得られておらず高コストでの運航が強いられるとし、これが100機程の規模に達した場合はるかに運航コストが下げられるしています。
また機内インテリアにおいても、エールフランス、ルフトハンザは目立った投資をせず、シャワーブースを設置するなど市場にインパクトを与えるものではなくA380の特性を活かしきれていないとし、実際に活かせたのはシンガポール航空とエミレーツ航空だったとしています。
ブリティッシュエアウェイズに関してはヒースロー空港の混雑を考えればA380をエミレーツ航空同様に100機規模導入していれば、A380の輸送力を生かし成功できていたしています。ただ導入した2008年が燃料高騰時期であったことも影響してその後大型機を導入する経営判断ができなかったのだろうとしています。
対してエミレーツ航空は、そのような環境下でもA380の導入を推し進めた結果、世界をリードするエアラインに成長していることから、インタビュアーがA380が無かったら現在のエミレーツ航空はどうなっていたかの質問に対し、ドバイではスロット不足に直面し現在の規模の輸送量を確保できなかっただろうとコメントしています。
また1990年代の経済状況を考えれば、A380が開発されたのは絶対に正しいことであり批判されることでないとしながらも、構想から納入まで12年かかったことは航空業界の市場の変化が速いことを考えると遅すぎたとしています。
実際にA380で成功したのはエミレーツ航空だけといっても過言ではないことから、他社がA380の運用方法が間違いであるというよりもTim Clark CEOの経営手腕が評価されるべきであると考えるのが自然なのかもしれません。
なお同CEOは70歳となったことから、エミレーツ航空は同氏の後継者探しに奔走していることが伝えられています。
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