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スペースジェット、開発費を大幅に削減し事業を一時凍結へ 10月30日にも発表

三菱航空機が開発を進める国産ジェット機のスペースジェット(旧MRJ)は、今後開発費と人件費を大幅に削減し事業を一時凍結する方針であることがわかりました。

これは新型コロナウイルスによる航空機需要が大幅に減退したことが影響しているとみられ、業界大手のボーイング・エアバス・エンブラエルなどの航空機メーカーも大幅な赤字を計上し人員削減に踏み切る状況に陥っており、このような環境下で新規受注は望めないと判断したと思われます。

また既に受注しているエアラインの経営状況も悪化しており、今後キャンセルが増えることも予想されています。事実他メーカーとエアラインの間では、発注機材の受け取りを巡りトラブルが起きるなどしており、機材を保有することで固定資産が増えることから、そのコストを避けるために納入の延期を求めるエアライン側と契約通り受領するよう求めるメーカー側との間で現在も多くの協議が行われています。

昨日には納入延期を希望していたANAがA380の3号機を受領することがわかり、現状ANAにとって必要のない3号機を近日中に受領することになっています。

スペースジェットの発注数は、日本のエアラインではANAグループが25機、JALグループが32機を発注しており現時点で総受注数はオプションを含め300機程となっており、今後機材の更新が迫っているエアラインは他メーカーへは発注を切り替えることになります。またスペースジェットは、6度目の延期を経て2021年に納入される予定でしたが、開発が遅れていることにより開発当初最新鋭を謳っていた機材が旧世代に近づきつつあり、開発が遅れるごとに他社との競争力を失っている事実があります。

NHKの報道によれば、機体の安全性を証明する「型式証明」の取得に向けた作業は続けるとしていますが、開発費・人件費を大幅に削減することから、開発は事実上の凍結状態となる予定です。なお三菱航空機は、10月30日に発表する中期経営計画にて詳細を発表する予定です。Photo : Mitsubishi Aircraft Corporation

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