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大韓航空の株主がアシアナ買収を阻止すべく第三者割当有償増資の差し止めを求める仮処分を裁判所に申請

先日、政府主導で大韓航空によるアシアナ航空買収を推進することが発表されましたが、大韓航空の既存株主であるPEファンドのKCGIは、一連の買収を阻止すべく第三者割当有償増資の差し止めを求める仮処分を裁判所に申請したことがわかりました。

これを受け、ソウル中央地裁は新株発行禁止仮処分審問も25日に開始することとなり、争点は新株発行の目的になるとみられます。KCGIは増資により保有株が希薄化し議決権比率も低下することから、経営方針で対立する現会長を守ることが目的と主張していますが、大韓航空側の新型コロナウイルスにの影響を受けた同社の経営再建や業界再編に向けた措置との主張が認められた場合は、このまま買収の手続きは継続するものと考えられます。

韓進KALは、産業銀行から計8000億ウォン(新株発行5000億ウォン、交換社債3000億ウォン)の投資を受けることが発表されていますが、産業銀行が韓進KALへ入金(5000億ウォン)する日が来月2日であることから、一週間内にも結論が出る見通しとなります。

仮に裁判所がKCGI側の主張を認めた場合は、一連の買収が白紙化されることになるため今後の動向が注目となります。
参考記事:노컷뉴스

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