エアバスは、新型コロナウイルスの影響を受け、エアアジアが受領を延期とした計6機のA320について、他社へ納入することが決まったことがわかりました。
エアアジアグループは、新造機の受領を延期するとし、発注自体も見直すことも表明しており、エアバスは同社へ納入予定であった機体を4月から新たな受け取り先を模索していることが伝えられていましたが、ようやく他社に販売することに成功した模様です。
通常であれば、ここ数ヶ月で多くのエアラインがエアバスから契約に基づいて新機材の引き取りを迫られているように、エアアジアに対しても引き取りを迫るものと考えられますが、実際にはそのような状況なっていないことから、何かしらの事情があるものと推測されます。
これまでにグループ会社のエアアジアXが発注機材の違約金なしのキャンセルをエアバスと交渉しているとの情報もあり、同社が策定した再建計画においては債権者に債権放棄を求めるなどとしていることから、これらが影響したとも考えられます。
なおナローボディ機は今後も需要がある機体としてみなされていますが、ワイドボディ機に関しては先行きは不透明となっており、同社が最大のオペレーターとなる予定で78機発注したA330neoは、仮にエアアジアがキャンセルとなった場合は、同機の開発プログラムにまで影響する機数であることから、エアバスにとっては大きな問題となっていることが予想されます。
現在新型コロナウイルスの影響により機体価格は下落していますが、イギリスを拠点とするコンサルタント会社のIBAGroupは、A321neoは本来の値よりも約5%低く取引されていますが、B737MAXは10%低く取引されているとしています。参考記事:The edge markets Photo : Airbus