大韓航空の既存株主であるPEファンドのKCGIは、一連の買収を阻止すべく第三者割当有償増資の差し止めを求める仮処分をソウル中央地方裁判所に申請していましたが、2020年12月1日、地裁は棄却としました。
KCGI側は、増資により保有株が希薄化し議決権比率も低下することから、経営方針で対立する現会長を守ることが増資目的であると主張しましたが、裁判所は『航空会社経営という経営上の目的を達成するために必要な範囲で行われたものと見られる。経営権を守るという目的を達成するため新株を発行したと考えるのは難しい」として差し止めを棄却しました。
これにより大韓航空によるアシアナ航空買収の手続きは加速するものとみられており、今後は韓国の公正取引委員会の承認が大きな山場になるとみられています。その後も日本をはじめとする、アメリカ、EU、中国の公正取引委員会からも承認を得る必要があり、順調に手続きが進めば、2021年後半にも買収手続きが完了とする見通しです。
参考記事:dongA Photo : Airbus