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ユナイテッド航空、2050年までに温室効果ガス排出を100%削減へ

2020年12月10日、ユナイテッド航空は、2050年までに温室効果ガス排出を100%削減することを誓う、業界でも初の大胆な環境保護へのコミットメントを発表しました。

ユナイテッド航空は2018年に、2050年までに温室効果ガスの排出を50%削減すると宣言した最初の米国エアラインとなりましたが、今回にさらに進んで、CO2対策費用を支払う非直接的なカーボンオフセット方式でなく、ダイレクト・エア・キャプチャー:DAC(直接空気回収)技術として知られる革新的な二酸化炭素を捕集する技術に数百万ドルの投資を行い、排出した二酸化炭素を全て回収するカーボンニュートラルの実現を目指します。

DAC技術は、航空機の排出ガスを物質的に集めることができると証明された数少ない技術で、捕集されたCO2は、Occidental社により、第三者が認証した安全かつ確実な方法で地中深くに永久に保存されます。



Photo : United Airlines

今回のユナイテッド航空の業界初となったコミットメントに基づき、1PointFive社は米国に工業サイズの初のDACプラントを建設します。一か所のプラントで、年間に4,000万本の木が捕集するのと同等規模の100万トンのCO2を捕集し、永遠に隔離することができると期待されています。同プラントの規模は、4,000万本の木が植えられている土地の規模と比較すると3,000分の1にも関わらず、同等の効果が発揮できます。

またSAF(持続可能な航空燃料)の開発、使用にも引き続き投資を行い、カーボンニュートラルの実現を目指します。ユナイテッド航空では、すでに2016年よりロサンゼルス空港を出発する全フライトでSAFを使用しており、これまでにSAFが混合された燃料で215,000便のフライトを運航し、そのフライトで2,600万人の乗客を運び、440億旅客マイルを達成し、世界で最も多くのSAFを使用しているエアラインとなっています。

ユナイテッド航空では、カリフォルニアを拠点とする持続可能な燃料の供給会社であるFulcrum BioEnergyに3,000万ドル超を投資しており、これは現在においても、世界のエアラインの中で持続可能な燃料の供給会社に投資した最高額となっています。

なお今回の発表に伴い、同社のScott Kirby CEOは、『弊社が自社の持続可能性の目標を達成するためだけに今回の取り組みを行っているわけでなく、航空業界全体が前向きに変化を起こしていくことを促進するためでもあり、それにより全ての航空会社が最終的には弊社に加わり、同様の取り組みを行うことにつながると期待しています』とコメントを発表しています。

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