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HNAグループ(海航集団)の債権者が破産を海南高等裁判所に申請 事業は継続し再建へ

2021年1月29日、HNAグループ(海航集団)は、債権者が同グループの破産と再建を海南高等裁判所に申請したことを明らかにしました。

債権者は、期限内に債務を返済できなかったため、破産と再編を求め裁判所に申請したとしており、今後同グループは、事業を継続した上で再建を目指すとみられています。また同グループは声明で、『裁判所に協力し、債務処理を進める。会社の円滑な運営を確保し、債権者の法的権利を保護する』と発表しています。

HNAグループは1993年に誕生し、その後事業を拡大し不動産や金融への投資、海外での買収を通じて急速に成長し、中国でも有数のコングロマリットに成長しました。2015年以降には、ヒルトンとドイツ銀行への投資を含む400億ドルの買収に乗り出すなど、世界的にも注目される存在となっていましたが、多くの借り入れに伴う事業拡大というビジネスモデルであったことから、事業が行き詰まった途端、瞬く間に負債が膨れ上がり経営難に陥っていました。

また昨年の新型コロナウイルスの感染拡大に伴い業績は更に悪化し、昨年2月からは海南政府の管理下に置かれている状態となっていました。

HNAグループは2,300社以上を所有しているとみられ、航空事業に関しては海南航空が母体で天津航空、北京首都航空、西部航空、福州航空、金鹏航空、北部湾航空、長安航空、ラッキーエア、ウルムチエア、桂林航空、香港航空などに出資を行っており、グループでは900機以上を保有しています。

今回の破産により傘下各社にも影響が及ぶとみられており、どこまで影響が波及するのかは、現時点では予測が難しい状態となります。参考記事:Global Times Photo : HNA

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