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スカイマーク、パイロットが乗務中に写真撮影を行った件で再発防止策を策定 『乗務中はスマホの電源をOFF』

スカイマークは2021年1月22日付「運航乗務員の不適切な行為及び不十分な安全管理体制について(厳重注意)」を受け、本日2月5日に、本事案が発生した原因及び要因の分析、再発防止策として講じる措置を国土交通省に報告したと発表しました。

この不適切な行為は、2020年12月21日の羽田発那覇行きのSKY521便において、副操縦士が乗務中、操縦室内から機外風景の写真を撮影し、その後SNSに当該写真を掲載したものとなります。この行為は、航空法第71条の2の操縦者の見張り義務及び航空法第104条第1項に基づき認可された同社の運航規程において操縦者が外部監視を行う旨を定めた規定に違反していたことから、国交省が厳重注意を行いました。

同社が厳重注意に基づき講じた措置の概要は以下のとおりです。

1.航空法・社内規定の厳守、コンプライアンス意識の教育
①社外取締役の助言を受け、従来のコンプライアンス教育を見直し、改めて当該行為により本人だけでなく会社など関係者が社会的非難を受けることなどに言及し、コンプライアンスに関わる自己抑制が働く内容に改善する。
②上記の教育内容をもって全運航乗務員および運航本部職員に対し緊急のコンプライアンス教育を行う。
③運航乗務員については、上記②に加え定期的に実施するミーティングにおいて本事案を題材に討議を行い、意識向上を図る。
④当社入社後に初めて当社乗務資格取得訓練を開始する運航乗務員訓練生に対しては座学訓練を開始する際、また路線訓練を開始する際に、改善された教育資料に基づき、本事案はもちろんのこと法令規程の遵守、アルコール事案を含むコンプライアンス教育を行う。

2.運航中の操縦室内での携帯電話使用制限の強化本事案の再発を防止するため、乗務時は電波を発射しない状態から携帯電話の電源を切ることとする

同社は、本事案は安全に直結する重大な問題であるとの認識の下、再発防止に向けて定めた措置を確実に実行し、お客様の信頼回復と安全運航に努めてまいりますとコメント発表しています。

なおこの不適切な行為においては、海外では認められているケースが多いことや、実際の乗務において、食事やトイレ時などは、事実上監視業務から外れることが認められており、制度が旧式で厳しすぎるとの指摘があるのも事実で、今後議論の余地があるものとなります。Photo : Skymark

国交省、スカイマークに厳重注意 副操縦士が乗務中に写真撮影しSNSに投稿

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