中国のHNAグループの海南航空は、2020年12月決算を発表し、約640億元(1兆800億円)の赤字となった事を発表しました。
この赤字額は、中国の上場企業としては過去最大の年間損失となり、新型コロナウイルスの影響により経営状況の悪化に拍車をかけた形となりました。
なお同社が上場している上海A株市場においては、2年連続で資産がマイナス評価となると取引停止となり、3年連続で上場廃止となることから、経営状況の改善が急務となっています。
HNAグループは1993年に誕生し、その後事業を拡大し不動産や金融への投資、海外での買収を通じて急速に成長し、中国でも有数のコングロマリットに成長しました。2015年以降には、ヒルトンとドイツ銀行への投資を含む400億ドルの買収に乗り出すなど、世界的にも注目される存在となっていましたが、多くの借り入れに伴う事業拡大というビジネスモデルであったことから、事業が行き詰まった途端、瞬く間に負債が膨れ上がり経営難に陥っていました。
2020年からは海南政府の管理下に置かれている状態となっていましたが、今年1月末には債権者が同グループの破産と再建を海南高等裁判所に申請し、同裁判所は破産・再建手続きの開始を命じており、現在スポンサーを募集し、今後経営再建計画を策定する予定となっています。参考記事:Apple Daily Photo : Hainan Airlines