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ユナイテッド航空、電動旅客機を2026年までに運航開始へ ハートエアロスペース社のES-19型機を100機購入

 ユナイテッドエアラインズ・ベンチャーズ(UAV)は、現地時間7月13日、ブレイクスルーエナジー・ベンチャーズ(BEV)とメサ航空と合同で、電動旅客機を開発するスタートアップ企業のハートエアロスペース社への投資を実施したと発表しました。

 ハートエアロスペース社は19席仕様の電動旅客機ES-19を開発中で、同旅客機は2020代末までに250マイル(約402キロ)を上限として旅客を乗せた運航の開始を見込んでいます。このUAVの投資に加えて、ユナイテッド航空では、条件付きで100機のES-19機を購入することを合意しました。

 この購入合意は、同機が最終的にユナイテッド航空の安全基準、経済性基準、運航基準を満たすことが条件となります。また、電動旅客機を商業旅客運航に導入することにおけるユナイテッド航空の戦略的パートナーのメサ航空も同様の条件付きで、100機のES-19機を購入することに合意しました。UAVは、革新的な持続可能性コンセプトに注力する企業、カーボンニュートラルな航空会社の構築に必要な技術や製品を開発する企業、そして、温室ガス排出を2050年までにゼロにするというユナイテッド航空のゴール達成を支える企業が構成するポートフォリオを構築しています。

 UAVとBEVは、ハートエアロスペース社への投資を決定した最初の投資企業の一社であり、ハート社の計画と、早ければ2026年にもES-19機を市場に出せるというその実現可能性への自信を表しています。ジェットエンジンの代わりに電気モーターを使用し、またジェット燃料の代わりにバッテリーを利用するハート社のES-19機では、運航における排出ガス量はゼロとなります。ES-19型機は19席の座席を有し、競合する他のどの電動旅客機よりも大型で、自動車で使用されているのと同じタイプのバッテリーを使用して運航するようにデザインされています。

 運航が開始された際には、同機は、ユナイテッド航空の米国内ハブ空港を中心に100以上の路線で使用される予定です。その予定路線にはシカゴ-パーデューユニバーシティ線やサンフランシスコ-モデストシティカウンティ線などが含まれます。

 ハートエアロスペース社のCEOであるアンダース・フォースランド氏は、「電動旅客機の時代はすぐそこまで来ています。そしてその技術はすでに存在しています。今回、弊社のES‐19を市場に出すにあたり、ユナイテッド航空、メサ航空、BEVとパートナーを組めることを大変誇りに思います。短距離の航空輸送を電動化するという弊社のミッションを進めるにあたり、これ以上に強力なパートナーは考えられません」と述べています。

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