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退役が加速している巨人機A380の今後の各社の取扱いまとめ【2021年9月5日更新】

新型コロナウイルスの影響により退役が加速しているA380ですが、その巨大な機体と燃費性能の悪さやにより徐々にオペレーターに敬遠され、新型コロナウイルスによる航空需要の蒸発が決定打となり、同機の退役の加速は留まる所を知りません。既に完全に退役を完了させたエアラインを含め保有オペレーターの同機に対しての今後の扱いをまとめます。

【退役を完了させたエアライン】
◆エールフランス航空(導入機数10機)◆
当初計画の2022年までに段階的に退役させる計画を、新型コロナウイルスの需要減退により、即時退役を決定。既に一部機材は解体済み

エールフランス航空のA380がラストフライトを実施 約11年間で4万フライトを実施し1,800万人を輸送

◆ハイフライ航空(導入機数1機)◆
元シンガポール航空の機材をリース導入し、中古のA380を運航した唯一のエアライン。新型コロナウイルスの需要減退により、リース期間内での返却を決定し、残ったリース期間では一時的な貨物機に改修

ハイフライ航空、A380の運用を終了したことを発表 明日17日にリース元に返却へ

【全機退役を決定・検討もしくは決定的なエアライン】
◆エティハド航空(導入機数10機)◆
同社CEOがA380は商業的に持続可能な航空機ではない、二度と運航することはないだろうと発言公式ホームページからもA380を削除し退役が決定的。しかしながら2021年9月のインタビューで依然として退役が濃厚としながらも、僅かながら復帰を期待するコメントもしており、現時点では退役は決まっていない。

エティハド航空CEOがA380の運航停止について語る『私たちは慈善団体ではありません』

◆ルフトハンザドイツ航空(導入機数14機)◆
6年以内の大幅な機材削減計画に含まれ既に退役が決まっている8機に加え全機の退役が決定し後続機にはB747-8を選定。現在政府の要請に備え2機をフランクフルトに駐機させているが、他の機体はスペインのテルエル空港などで保管中。今後は路線に再投入する可能性は極めて低いとされており、一時的に復帰するかが注目ポイント。2021年8月に公表した決算時には、長距離に限ればA380型機は明らかに復帰しないでしょう。』と語り復帰は期待できない状況が続いている。そしてこれまで政府の要請に対応できるようフランクフルト空港で待機していた1機も長距離保管所へ移動する予定となっている。

ルフトハンザグループ、大幅な機材削減計画を発表 A380・A340は退役へ

◆中国南方航空(導入機数5機)◆
同社の上級役員が、コロナ禍においてA380の運用について見直す必要があるとし、退役を示唆

中国南方航空、A380の早期退役を示唆『需要に対して大きすぎる』

◆マレーシア航空(導入機数6機)◆
2021年5月に同社CEOが数ヵ月内に全機退役させることを明らかに。『A380が将来の計画に適合しないと確信している』とコメント。今年7月には同型機の販売を開始しており、中古市場で買い手が見つかるのか注目されている。

マレーシア航空、保有する全A380の販売を開始 同機は完全退役へ

◆タイ国際航空(導入機数6機)◆
経営破綻した同社の経営再建計画に同機の全機退役が含まれていることが明らかに。今後再建案が債権者と裁判所に承認されると正式に、退役のスケジュールを組む見通し。

タイ国際航空、再建計画を裁判所に提出 4発機(B747/A380)は退役 従業員の半数を解雇へ

◆カタール航空(導入機数10機)◆
同社CEOが既に保有している10機のうち5機の退役は決まったとし、残る5機についても2~3年以内に退役させることを検討していることを明らかに。最近ではA380の環境性能に問題があるとしているほか、同機を運用するオペレーターに対し過激な発言が目立つ(エミレーツ航空を意識しているみられている) これまで同社CEOは一貫として退役の方針を貫いていたものの、2021年7月には数機が復帰する可能性を示唆し態度を軟化している。

カタール航空CEO『乗客は環境に配慮してA380を避けるようになる。同機に未来は無い』

◆大韓航空(導入機数10機)&アシアナ航空(導入機数6機)◆※今後統合予定
両社の統合によりA380の保有機数は、エミレーツ航空に次ぐ規模になる見込みで、統合後A380の運用と投入路線を見直すと大韓航空のウ・ギホン代表取締役社長が明らかに。その後大韓航空のチョ・ウォンテCEOがアシアナ機を含め5年以内に全機退役させる方針を明らかにし、2026年には全機が退役する予定となっている。

大韓航空、5年以内にA380を全機退役へ B747-8Iも10年以内に退役

【今後も運用を継続する計画のエアライン】
◆エミレーツ航空(導入機数123機※未受領分含)◆
同社CEOが今後20年にわたりA380を運用する意向を示し、今後も同機をフラッグシップとして運用すると明言。未受領分がある唯一のエアラインで、最終機の受領は前倒しして、2021年11月を予定している。

エミレーツ航空がA380の受領時期を前倒し 今後20年間の運用を約束 なおエアバスのA380のプログラムは2021年11月に終了へ

◆カンタス航空(導入機数12機)◆
現在アメリカのモハーベ砂漠で全機を長期保管中。アメリカ路線において同機の運用上のメリットがあるとしたほか、ヒースロー空港などの混雑空港でも能力を発揮するとして今後も運用を継続する方針。これまで全機の復帰を計画していたものの、2機の退役を決定し残る10機は2022年7月からの復帰を想定している。

カンタス航空、2機のA380の退役を決定 残る機材は前倒しして2022年7月から運航再開へ

◆ブリティッシュエアウェイズ(導入機数12機)◆
同社CEOがヒースロー空港のようなハブ空港の効率性を考えると、A380には将来性があると考えていると発言し、今後の機材運用計画に同機が含まれていることを明らかに。2021年8月には、保有する12機のA380のメンテナンス契約をルフトハンザテクニックと2027年8月まで延長したことを発表し、早ければ2022年夏ダイヤから同機を復帰させる見込み

ブリティッシュエアウェイズCEO『B747の退役は正しかった。A380には将来性がある』

◆シンガポール航空(導入機数24機/保有19機)◆
新型コロナウイルスの影響を受け7機の退役を決定したものの、長期保管しているアリススプリングスから機内改修のためにシンガポールに移動させるなど、コロナ禍においても同機に投資を行っていることから運用を継続するとみられている。2021年9月5日時点で、3機が長距離保管場所となっているアリススプリングスからシンガポールに移動したことが確認されている。

シンガポール航空の豪アリススプリングスで保管されている一部のA380がシンガポールへ移動

◆ANA(導入機数3機)◆
書類上は受領済みとなっている3号機をトゥールーズで保管していますが、先日発表された機材計画においては、他機材の退役を進める一方で3号機を導入予定としていることから、当面は運航を継続するものと予想される。なおこれまでに退役に関する情報は一切無く、3号機のデリバリーは早くとも2021年10月30日以降を予定している模様。

ANA、過去最大の4046億円の赤字 A380の導入は継続しLCC事業では新路線開設を計画

 上記のように10社が退役済み、または退役に向けた動きがあり、残る5社が今後も運航を継続する見通しです。しかしながら後者においても新型コロナウイルスの影響が長引けば退役を検討する可能性があることや、カンタス航空のように一部機材の退役を決定するなどの動きもあり、今後もA380は運航機数の減少の一途を辿るものとみられています。

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