FSC 機材 航空ニュース

カタール航空CEO、A380の再開はあくまで一時的なものである事を強調

 先日カタール航空は、2021年12月15日からドーハ~パリ・ロンドン線にA380型機を再投入する事を発表しましたが、同社CEOはあくまでも一時的な措置であることを強調しています。以前から同CEOは、この運航再開が不本意であることを述べていますが、今回は以下のような声明を発表しています。

『A350型機が地上駐機措置となったため、冬の主要路線においてA380型機の一部を一時的に復活させる以外に選択肢がなくなりました。これは、カタール航空とエアバス間での未解決の問題(塗装の下地の早期劣化)によるもので、根本的な原因はまだ解明されていません。またこの困難な決定は、A350型機の問題の重大性を反映したものであり、当社の商業的ニーズのバランスをとるための短期的な措置を意図したものです。このようなことから、A380型機の恒久的な再導入を意味するものではありません」

 この問題においてエアバスは、実際にドーハにて問題があった機体を確認しましたが、航空機に耐空性の影響がないことが証明され、運航の継続が可能になったと結論付けています。またEASAも「劣化した塗装状態」を確認したとしましたが、航空機の耐空性に問題はないとしているほか、同型機のオペレーターであるシンガポール航空も問題は無いとの認識を示している状態となっています。

 現時点では、両者の主張は平行線を辿った状態となっており、解決に向かう情報も無いことから、この状態が長引けば同社のA380型機は延命となりますが、果たしてこの問題がどのように解決を迎えるのかも注目したいポイントとなります。Photo : Airbus

カタール航空CEO、A350の塗装問題により複合材に亀裂が入ったと主張 エアバス『同機が飛行できない理由はない』

カタール航空、2021年12月15日よりA380の運用を不本意ながら再開 投入路線はパリとロンドン

シンガポール航空『A350を運航停止する予定はない』カタール航空での事象を否定