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EASA(欧州航空安全局)、13機のA350型機に対して予備的な警告を発出 JAL機は含まず

 EASA(欧州航空安全局)は、13機のA350型機に対して被雷対策において問題がある可能性があるとして、予備的な警告を発出し検査を指示したことがわかりました。

 今回問題が指摘されているのは、被雷対策として落雷を安全に分散させるために設計されたエキスパンドメタル層*(Expanded Copper Foil/ECF)が、翼の必要な部分の全てに塗布されていなかった可能性があるとし、これにより強い落雷が発生した場合、タンク内の燃料に引火して機体が破壊される可能性があるとしています。*多数の孔をあけて一種の格子を形成するように引き延ばした銅などの金属プレート

 ただし、現時点で耐空性に問題があるという証拠は見つかっていないことから、即座に運航停止命令を下す段階ではないとし、検査と必要に応じた修理を行うことを求めています。

 これまでに対象となっている機材を保有するのは、ターキッシュエアラインズ、エールフランス航空、タイ国際航空、四川航空、キャセイパシフィック航空、カタール航空、アシアナ航空、海南航空、ヴァージンアトランティック航空、シンガポール航空となり、同型機を保有するJALは含まれていません。

 またこの問題は、これまでカタール航空が主張してきた塗装問題に直結しているものと考えられており、同様の症状が確認されたフィンエアー、キャセイパシフィック航空、エティハド航空、ルフトハンザドイツ航空、エールフランス航空に続きデルタ航空でも確認されたことがロイター通信の報道により明らかになっています。

 これまでカタール航空が一方的に主張していたと考えられていた塗装問題ですが、ここにきてエアバス側の欠陥であった可能性が強まっており、カタール航空の安全性に対する姿勢がむしろ正しかったと言えるような状況となっています。Photo : Airbus

【画像あり】A350型機の塗装問題はカタール航空以外にもフィンエアー、キャセイパシフィック航空、エティハド航空、ルフトハンザ、エールフランスでも存在

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