韓国の公正取引委員会は、大韓航空とアシアナ航空の統合を条件付きで承認したことを発表しました。
国際線においては、両社の重複路線合計65本路線のうち26路線、国内線においては、両社の重複路線合計22路線のうち14路線で運賃引き上げなどの懸念があるとし、これらの路線で新規参入を促すために、一部スロットの返却を求めます。なお国内外の貨物事業や整備事業においては、懸念材料は見当たらないとしています。
返上スロットにおいては、新規参入があった時点で公正取引委員会と国土交通部が協議して決定する予定となり、合併後の路線のシェアが50%を超えないように制限することが予定されています。
既にこの決定を見越してティーウェイ航空などが長距離路線のスロット獲得に意欲を示しており、今後長距離路線の運航を目指す可能性があります。
なお残る競争当局への申告義務の国は、日本、アメリカ、EU、中国となっていますが、これまでに複数の申請を却下した実績があるEU当局や、アライアンスで傾斜が増す北米路線において懸念を示す可能性があるアメリカ当局の認可取得がハードルになるとみられるほか、日本におても羽田空港の発着枠において調整が必要になる可能性が指摘されています。Photo : Airbus