FSC 航空ニュース

カンタス航空、独自の判断でロシア上空の飛行を回避 JALとANAはロシア上空の飛行を継続

 カンタス航空は、独自の判断でロシア上空の飛行を回避して欧州路線の運航便を継続します。

 同社は、カンガルールートと呼ばれるオーストラリア~イギリス間のフライトにおいて、通常ロシア上空を飛行しますが、現在は、中東、南ヨーロッパ上空を飛行するルートに変更し、実際にメルボルン発ダーウィン経由ロンドン行きQF9/QF10便でのこのルートを採用しました。

 これはヨーロッパ各国がロシア機の飛行を禁止し、その報復措置としてロシア上空を飛行できなくなっている問題を考慮したもので、現在のところロシア当局およびオーストラリア当局は特別な措置を発令していませんが、カンタス航空は独自の判断でロシア上空を回避しています。なおこの航路変更により1時間以上定刻より遅れることになります。

 これについてカンタス航空は『現在の状況と複雑さを考慮し、状況の変化を監視し続ける間、ロシアを通過しない代替航路の1つを使用することを選択しました。カンタス航空は定期的に飛行経路を見直し、適切と思われる調整を行なっています。』と述べています。

 この対応は、安全を最優先しての判断とみられ、先日にはJALがモスクワ便の運航を見送るなど、欧州以外のエアラインにおいても今後このような対応を行うエアラインが出てくる可能性があります。

 ただ先日の記事で紹介したように、日本がロシアへの制裁でEU同様に飛行禁止措置を行う可能性は極めて低いことから、日系エアラインにおいてはウクライナでの情勢に大きな変化が起こらない限りロシア上空の飛行を継続すると考えられ、本日もANAとJAL機はロシア上空を飛行しています。これはロシア側からすれば日本の弱みを握っているような状況と言えますが、極東に位置する国は、このような判断になるのは致し方無いものとなります。Photo : Qantas

アンカレッジ空港、ウクライナ危機で複数の航空会社から問い合わせ ロシアの報復で今後日本~欧州路線が冷戦時代に逆戻りも

【速報】EU、ロシア機のEU圏内の飛行禁止を決定 ヨーロッパからロシアを締め出し

カンタス航空、2022年3月末から羽田発着で3路線を再開 路線を羽田に集約し成田空港のカンタスラウンジは閉鎖し撤退へ

ウクライナ危機による欧米各社の日本路線への影響まとめ ルフトハンザ・KLM・フィンエアー・エールフランスなど