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英裁判所、カタール航空のA350-1000型機の受領拒否は違反との判決

 イギリスの裁判所は、エアバスとカタール航空が争っているA350型機の塗装劣化問題において、カタール航空がエアバスから新造機となるA350型機の受領を拒否することは違反との判決を下しました。

 裁判所は、主な争点となっている塗装劣化問題においては、引き続き調査期間が必要として2023年夏に決着させる方針とし、カタール航空が安全上の懸念を理由に受領を拒否していたA350型機においては、受領拒否することを違反であるとしました。

 これまでカタール航空は、同型機の受領を拒否していたものの今後も同型機を運用する方針とし、受領予定の機材を他社へ売却しないよう裁判所に求めていましたが、裁判所は契約に則りエアバスがカタール航空に納入することは問題ないとの判決を下したことから、今後カタール航空が受領を拒否するとエアバスは、契約不履行を理由にカタール航空向けの機材を他社へ販売することが可能となります。

  既にエアバスは、これら機材を他社に転売する方針で動いていると考えられており、これまでにルフトハンザドイツ航空がこれら機材を導入することを検討との現地報道があります。

 またカタール航空がA350-1000型機の契約を失った場合、先日のA321neo同様に代替機問題が新たに発生することになり、開発が遅延しているボーイング機を選択せざるを得なくなると考えられます。

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