ヴァージンオーストラリア航空のJayne Hrdlicka CEOは、当面は長距離路線を運航しない方針を明らかにしました。
同CEOは、現在長距離路線の需要が高まっていることを認めながらも「長距離路線においては、長期的な計画を立てなければならず、その場しのぎの解決のために、航空機に多額の投資を行うことはしない」と述べ、コロナ禍で再編し、ナローボディ機で統一した機材構成を当面は変えない方針を示しています。
しかしながら、長期的には長距離路線に再就航することを検討していることは、同社の資料などから明らかになっており、就航先として東京/羽田・ロサンゼルス線は優先的な候補とみられています。
コロナ以前までは、2020年3月29日から羽田~ブリスベン線に就航する予定でしたが、この計画は延期となり、その後同社は事実上の経営破綻となり、事業再編の一環として長距離路線用機材を手放しています。
現在同社は羽田空港の発着枠を保有していますが、今後コロナからの回復期を迎え「Use it or Lose it rule(U/Lルール)」が再開された際には、運航機材が無い同社は羽田枠を失うことになることから、発着枠を維持する方法としてウェットリースを行うことが現実味を帯びることになります。仮にそうなった際は、コードシェアを実施予定であったANAに協力を求める可能性があり、ANAがブリスベン線の運航を行う可能性も考えられます。
いずれにせよ、コロナの影響やロシア・ウクライナ情勢・大韓航空とアシアナ航空の統合の影響により羽田空港の発着枠は見直しが必要な部分があるのが現状となっており、貴重な羽田空港の発着枠を無駄にしないためにも、何かしらの議論は必要になると考えられます。Photo :