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砂漠で保管したA380型機の復帰させるまでの時間は?カンタス航空CEOが明らかに

 新型コロナウイルスの影響により、活躍の場を失ったとみられた世界最大の旅客機のA380型機ですが、多くの予想を反して、航空需要の急回復を背景に再び表舞台へと返り咲く準備が多くのエアラインで開始されています。

 コロナ禍においては、A380の退役を即座に決めたエアラインや、空港で駐機させるエアライン、長期を見越して砂漠地帯で保管するエアラインなど対応は様々でしたが、砂漠で保管したカンタス航空のAlan Joyce CEOは、復帰させるまでの労力がどれほどのものなのかを明らかにしています。

 カンタス航空は、保有する12機のA380のうち、2機を退役させ、2024年までに10機の同型機を復帰させる計画としていますが、全機復帰となる2024年まで時間がかかる理由を同CEOは以下のように説明しています。

「たった1機のA380を再稼働させるために4,500時間または2か月の人員が必要です。カンタス航空のA380が置かれているモハベ砂漠では、1機あたり10人の整備士が2ヶ月にわたり作業をします。彼らは22個の車輪すべて、16個のブレーキすべてを交換し、すべての酸素ボトルと消火器を交換し、基本的に搭載されているものはすべて交換します」と述べています。

 またこの作業は、まだ第一段階に過ぎず、同社の整備拠点の一つであるロサンゼルスに移動すると約100日間の整備(D整備)を行う必要があるとしており、これらが復帰までに時間を要する理由としています。

 このほかにもルフトハンザドイツ航空も同型機の復帰に時間を要しているエアラインの一つで、現在は復帰初号機の運航再開は2023年夏頃を予定しており、同社でA380のメンテナンスマネジャーを10年務め、現在はB787の導入メンテナンスを担当しているDirk Meyer氏は「A380を運航に戻すことは、私たちにとって大きな挑戦で、大規模なプログラムになる」とコメントしており、運航再開までには多くの時間がかかることを示しています。

 ここまで復帰に時間を要することから、コロナ真っ只中でのA380の保管方法の決定には、各社慎重になったことが安易に想像でき、実際に各社の経営判断様々で、非常に興味深いものとなっています。Photo : Qantas

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