ボーイングのDave Calhoun CEOは、向こう10年半ばまで、新機種を製造しない方針であることを明らかにしました。
これは投資家向けの会議で同CEOが明らかにしたもので、向こう10年半ば(2035年頃)までは、新機種の開発は行わない予定とし、新機種は最新技術が採用された完全に次世代の航空機となる必要があるとの見解を述べています。
同CEOは、新機種の開発となれば、今後の排ガス規制が厳しくなる環境を見据えて、現行機に比べ20%から30%の燃費性能の向上が必要になるが、現段階ではその技術の開発が追いついていないとし、業界全体でも2030年代までは画期的な新型機は登場しないとの見解を示しています。また、新機種は完全に現行機と置き換え、かつ完全に異なるようなものを開発したいと意欲を述べてます。
B737MAXやB787の問題が一段落したことから、NMA(New Midsize Airplane・非公式名B797)の開発が加速するとの見解もありましたが、今回の発言により2030年代まではB797のような新型機は開発されない可能性が高くなっており、今後数年内に開発されることも期待されたB797は市場に登場しないとみられます。
なおこれまで通り現行機の派生型は開発していくものとみられ、B787が登場したような衝撃は、ボーイング機においては2030年半ばまでお預けとなりそうです。Photo : Boeing