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まもなくデビューするA321XLRの受注状況 オプション内容で各社の戦略が垣間見える可能性も

 エアバスが開発を進め、ナローボディ機世界最長の航続距離を誇ることになるA321XLRは、2024年7月にも当局より機体の承認を受ける見込みですが、現在までの同型機の受注状況をまとめます。

【受注状況】
エアリンガス6機
エアカナダ30機
エアアラビア20機
エアアジアX20機
アメリカン航空50機
フライナス10機
フロンティア航空18機
セブパシフィック航空10機
イベリア航空13機
ジェットスマート14機
インディゴ70機
ジェットブルー13機
ジェットスター36機
サウディア15機
ミドルイースト航空4機
スカイ航空10機
ユナイテッド航空50機
ウィズエアーハンガリー47機
ベトジェットエア20機

 上記のように就航前から500機以上の受注を超える状況となっているほか、FSCやLCCを問わず受注できていることから、今後世界的なベストセラー機になる可能性を秘めており、エアバスは2030年までに1,000機以上を販売することに自信を示しています。

 A321XLRは、最大の売りである航続距離を実現するために主脚後部に位置するリアセンサータンク(RCT)の容量を増大させ、後部に3つのタンクと前部に1つのタンクを配置します。なおこの前部のタンクについてはオプションとなり、最大の航続距離を求めるエアラインは必須のオプションとなり、このオプション選択により、各社が路線投入を想定しているエリアが垣間見えることになります。

 このほか搭載燃料の増大に伴い、機体を簡素化する設計としており、目につくところでは、フラップの二重構造をシングルへ変更したこと、着陸措置をダブルピストンからシングルへ変更するなどし、様々な箇所で軽量化が図られています。

 A321XLRの登場により、これまで大型機では採算ラインに乗らなかったような都市間の新路線開設なども予想され、市場のゲームチェンジャーとして期待されており、今後市場にどのような変化をもたらすのか注目となります。

 これまで日本のエアラインにおいては、同機の導入についての情報はありませんが、筆者としては導入を進め、新路線を開拓していくことに期待しています。

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