国土交通省は、2024年1月2日に羽田空港で発生した航空機衝突事故を受けて全国の空港で停止していた航空機の離陸順序(No.1、No.2等)に関する情報提供を、2024年8月8日より再開することを発表しました。
事故発生後に設置された「羽田空港航空機衝突事故対策検討委員会」が6月24日に発表した「中間取りまとめ」において、離陸順序に関する情報提供は他機の状況等を把握するために有益であるなどのことから、情報提供する際の留意事項を管制官やパイロットに周知徹底した上で、情報提供の停止を解除することを検討すべきとされていました。
このようなことから、管制官及びパイロットが留意すべき事項を周知し、それを踏まえ、8月8日より情報提供を再開することを決定しています。
なお管制官に対しては、パイロットに与える心理的影響についても留意した上で、離陸順序の情報提供に関して判断すること、簡潔明瞭な交信を心がけるとともに、確実なヒアバック(指示・許可に関する復唱の確認)を行うこと、便名の聞き間違いが発生しないよう、便名の異なる部分を特に強調するなどを心がけることを周知しています。
またパイロットに対しては、確実な復唱を含む安全運航のための手順等を改めて徹底すること、内容に疑問がある場合には管制官に対して確認を行うこと、滑走路進入時及び着陸進入時において、特に注意して外部監視を行うこと、滑走路進入には管制業務処理規程に基づき、次の4つの許可又は指示のいずれかが必要なことを周知しています。
(1) ”Cleared for take-off”(離陸許可)
(2) ”Cross runway”(滑走路横断指示)
(3) ”Line up and wait”(滑走路上における待機指示)
(4) ”Taxi via runway/Backtrack runway”(滑走路上の地上走行指示)