2024年8月8日にボーイングの新CEOに就任したケリー・オルトバーグ新CEO(Kelly Ortberg)は、就任後は精力的に現場視察や主要顧客と面会するなどし、ボーイングの再建に意欲を示しています。
オルトバーグ新CEOは1983年にテキサス・インスツルメンツのエンジニアとしてキャリアをスタートさせ、その後30年以上を航空宇宙および防衛製品の世界最大のサプライヤーの1つであるロックウェル・コリンズ社で過ごしました。そこでのキャリアはプログラム・マネージャーから始まり、さまざまな指導的役職を歴任した後、2013年に同社の社長兼CEOに就任し、2015年から2018年まで会長も務めました。
その後ロックウェル・コリンズ社がユナイテッドテクノロジーズコーポレーションと統合された後、オルトバーグ氏は2018年12月から2020年2月まで、新設されたコリンズ・エアロスペース社の最高経営責任者を務めました。
現在64歳で航空業界のベテランの人物となり、各方面から信頼が厚い人物として知られています。
Photo : Boeing
同CEOは、失墜した信頼を回復させることが大きな使命となりますが、就任後は問題が明らかになったB737MAXを製造するレントン工場を視察し従業員とコミュニケーションをとるなどしたほか、従業員に対し「信頼回復のためにやるべきことはたくさんあるのは明らかですが、協力し合えば、この会社を私たち全員が期待する業界のリーダーに再び戻せると確信しています。」とメッセージを送っています。
またユナイテッド航空をはじめとする主要顧客のCEOと食事会を行うなどし、信頼回復へ向けて動き始めています。なおこの食事会後にこれまでボーイングを批判していたユナイテッド航空CEOは、ケリー・オルトバーグ新CEOに強い期待を示し「会談で話した内容に勇気づけられただけでなく、ボーイングは正しい道を歩んでおり、大方の予想よりも早く回復するだろうという新たな自信を得た」と述べています。