ロシア上空の飛行制限により、欧州各社の中国市場からの減便や撤退が加速しています。
現在中国~欧州間においては、多くの欧州エアラインがロシア上空を飛行できなくなったことにより、ロシア上空を飛行できる中国エアラインに対して競争力を失った状態が続いています。
このような状況下において中国エアラインは、欧州競合他社よりも飛行時間が短い上に安価な航空券を販売していることから、市場において非常に優位な立場となっており、欧州エアラインが減便する一方で欧州への新規就航・増便を加速している状態です。
これまでに以下の欧州エアラインが中国市場の運航体制を見直しており、今後も減便の傾向が続くことが予想されます。
◇ヴァージンアトランティック航空 ロンドン~上海線を運休し中国市場から撤退
◇スカンジナビア航空 コペンハーゲン~上海線を運休し中国市場から撤退
◇LOTポーランド航空 ワルシャワ~北京線を運休し中国市場から撤退
◇ブリティッシュエアウェイズ ロンドン~上海線を運休
◇ルフトハンザドイツ航空 フランクフルト~北京線を運休
このように多くのエアラインが中国への運航便数を減少させており、エールフランスKLMグループCEOは、欧州当局へ是正措置を求めている状況となっています。ただ現時点で早期に動きがある状況ではないことから、今後運休によるリソースがどの市場へ振り分けられていくのか注目です。
ロシア・ウクライナ戦争が長期化していることにより、日本市場においては経由便のコストパフォーマンスが優れることから中東エアラインが優位な状況になっているとされており、ロシア上空の飛行制限により各市場において変化が起きている状況となります。Photo : Virgin Atlantic