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カンタス航空のA380のエンジンから工具が見つかった問題はずさんな管理体制が原因 エンジン内に工具を残し34フライト

 カンタス航空のA380型機(VH-OQI)のエンジンから行方不明であった工具が見つかった問題は、同社のずさんな管理体制が問題であったと結論付けられました。

 この問題は、2024年1月1日にカンタス航空のロサンゼルスの整備施設において、定期整備を受けた同型機のエンジンから工具が見つかったもので、調査の結果、同社のずさんな管理体制が明らかになりました。

 この長さ1.25メートル、幅2.5センチのナイロン製の工具は、2023年12月6日に実施されたエンジンの定期整備において使用されたもので、最初に点検を担当した整備士がこの工具を置き忘れ退社し、その後作業を引き継いだ2人の整備士が別々に点検したにも関わらず工具は取り残されたままでした。


Photo : ATSB

 その後すぐに工具の不足は認識されたものの、運航に復帰させるまでに見つからなかったため、紛失記録を削除し最終的に工具が見つからないまま航空機をサービスに出すことを決め、計34フライト計294時間の飛行後、2024年1月1日の定期整備にてエンジン内から偶然工具が発見されました。

 発見時この工具は、第1エンジンのファンブレードの後ろにて熱の影響を受け変形し挟まった状態で発見されたものの、エンジンには損傷はありませんでした。

 カンタス航空は事態を深刻に受け止め再発防止に努めるとしていますが、大きな事故に至らなかったことは幸運であったと言え、タイミングが悪ければジェット機就航後死亡事故0を継続し安全性が高いとされる同社の記録が途切れる危機であったと言えます。Photo : Qantas

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