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オーストラリア当局、カタール航空のルールの抜け道ともとれるヴァージンオーストラリア航空との提携を暫定承認

 オーストラリア当局は、カタール航空によるヴァージンオーストラリア航空の株式取得およびウェットリースによるカタール航空のオーストラリア路線の拡大を暫定承認しました。

 今回カタール航空は、ヴァージンオーストラリア航空の株式を取得して提携を強める計画ですが、中でも注目されているのはウェットリースを行うもので、このウェットリースにおいては、ヴァージンオーストラリア航空がカタール航空機をウェットリース(乗員&機体のリース)して国際線を拡大するもので、事実上カタール航空が運航便数を拡大するものです。

 現在ヴァージンオーストラリア航空は、長距離路線が運航可能な機材を保有しておらず、オーストラリアのエアラインが使用可能な長距離国際線発着枠はカンタス航空が独占している状態となっていますが、今後カタール航空はルールの抜け道ともとれる方法でオーストラリアへの運航便数を拡大します。

 この方法は、依然として問題であるとする意見がありますが、現状ではオーストラリア当局が暫定認可したことから2025年6月までにこのサービスが提供される見込みです。ただ最終承認までに議論の余地があるとされていることから、今後この暫定認可が覆るのか注目です。

 なおこの方法を行った場合、通常運航路線の両国に割り当てられる発着枠が事実上1社で独占することも可能になることから、今後対策が必要との意見も出ており、日本の羽田空港の発着枠に置き換えて考えてみると、非常に問題であることが認識できます。Photo : ACCC

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