昨年末に務安空港で胴体着陸した後に炎上したチェジュ航空機の事故において、ブラックボックスのCVR・FDRがローカライザーに衝突する4分前から停止したことが明らかになりましたが、この停止していた理由の可能性の一つとしてブラックボッスの設計によるものとの見方が有力となっています。
事故機となった737-800型機のHL8088は、2009年にボーイングのレントン工場で製造され同年にライアンエアへデリバリーされ、その後2017年からチェジュ航空に在籍していましたが、2009年製造分までCVR・FDR共に電源喪失時にはこれらレコーダーに電力が供給されない設計となっていました。
その後FAAは、2010年製造分からCVR・FDRにバックアップ電源確保することを義務付けし、同年以降は航空機が電源を喪失してもバックアップ電源により記録できる仕組みとなっていましたが、事故機となった2009年製のチェジュ航空機はバックアップ電源が搭載されていなかったことから、今回記録が停止していた可能性が高いとみられます。
またこの仮説が正しければ、事故機は衝突4分前には電源を失っていたことになり、電源は通常エンジンから提供されることから、両エンジンに問題を抱えていたことが推測されます。
このようなことから、パイロットは極限の状態で胴体着陸を試みたことが予想され、手動によるランディンギアを展開する時間(車輪の自重により展開するため数分かかるとされる)も無かった可能性があり、今現在はっきりしていることはあの場所にコンクリート構造物があったことが残念でならないとうことです。