国交省は、JALの2名の元機長を飲酒問題で航空法に基づき行政処分したことを明らかにしました。
この問題は、2024年12月1日のメルボルン発成田行きJL774便の操縦士が、過度の飲酒によりアルコールが検知され運航便に遅れが生じさせたものとなり、同便を担当した2名の操縦士が、航空法第30条第2号に規定する航空従事者としての職務を行うに当たっての非行に該当するものとして行政処分を行っています。
操縦士A(180日間の航空業務停止)についての事案概要は、以下の通りです。
操縦士Aは機長として乗務予定であったところ、運航規程において、『飛行勤務開始時に酒気帯びとならないよう飛行勤務開始12時間前に体内に残存するアルコール量を4ドリンク相当以下に自己を制限すること。』と規定されていることを認識していたにもかかわらず、これを大きく超過する過度な飲酒を行った。
飲酒に関する自己管理や相互確認等に関する教育、緊急安全討議等が実施されていたにもかかわらず、乗務前日に過度な飲酒を行った。
さらに、操縦士Aは、機長として運航乗務員の健康状態を確認する責務を有する立場であるにもかかわらず、前日の過度な飲酒の影響を受けている自身や副機長の身体の状態について運航管理者等への報告を行わず、加えて、乗務前日の飲酒量の過少申告について副機長に口裏合わせを働きかけ、到着後の会社からの聞き取りに対して虚偽の説明を行い、乗務前日の過度な飲酒の事実の隠ぺいを図った。
操縦士B(210日間の航空業務停止)についての事案概要は、以下の通りです。
操縦士Bは副機長として乗務予定であったところ、運航規程において、『飛行勤務開始時に酒気帯びとならないよう飛行勤務開始12時間前に体内に残存するアルコール量を4ドリンク相当以下に自己を制限すること。』と規定されていることを認識していたにもかかわらず、これを大きく超過する過度な飲酒を行った。
また、操縦士Bは、飛行勤務開始時点において、自主的な検査でアルコールが検知されており、また、その後においても前日の過度な飲酒の影響を受けている自身の身体の状況について運航管理者等への報告を行うことなく、アルコールが検知されなくなるまで検査を繰り返し、その間、飛行勤務に必要な運航情報の確認等を行った。これらは、運航規程の、『乗員は、飛行勤務開始前12時間以内に飲酒を行った場合またはそれ以前であっても飛行勤務開始時に酒気帯び状態となるおそれがある過度な飲酒を行った場合は飛行勤務を行ってはならない。』ことに違反する行為であった。
操縦士Bは、飲酒に関する自己管理や相互確認等に関する教育、緊急安全討議等が実施されていたにもかかわらず、乗務前日に過度な飲酒を行った。加えて、操縦士Bは過去に飲酒に起因するアルコール事案を発生させており、飲酒に関する自己管理の徹底が求められている状況にありながら、乗務前日に過度な飲酒を行った。
さらに、操縦士Bは、乗務前日の飲酒量の過少申告に関する機長からの口裏合わせに応じ、到着後の会社からの聞き取りに対して虚偽の説明を行い、乗務前日の過度な飲酒の事実の隠ぺいを図った。
JAL、2025年度路線便数計画を決定 関西~ロサンゼルス・ホノルル線、中部~ホノルル線を増便し沖縄/那覇~台北線を開設へ