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国交省、ピーチのアルコール検査体制が適切に機能していないとし厳重注意

 国土交通省は、ピーチアビエーションのアルコール検査体制が適切に機能していないとし厳重注意を2025年2月14日付で行いました。

 2025年1月7日のシンガポール発関西行きのAPJ774便の機長及び副操縦士が、運航規程に基づく乗務前アルコール検査の実施を失念したまま当該便に乗務した事案が発生し、同日中にピーチから国交省へ報告がありました。

 当局の指示により同社が詳細な事実調査を実施したところ、当該機長は、運航規程により飛行勤務開始前12時間以内の飲酒が禁止されているにもかかわらず、当該禁酒時間内に飲酒していたことが1月13日に判明し、翌14日に報告がありました。

 これを受け、立入検査を行った結果、当該機長は、ピーチの運航規程により飛行勤務開始前12時間以内の飲酒が禁止されていることを認識しながら、1月6日13時30分から14時00分(現地時間)にかけてビール缶(500mℓ)2缶を飲酒し、また、事案発生後の会社からの聴取に対し飲酒時間について虚偽の説明を行ったことが確認されました。

 また乗務当日、結果として当該機長は酒気を帯びていなかったが、当該機長を含む運航乗務員は運航規程に基づく乗務前アルコール検査を失念し、また、ピーチのアルコール検査の管理担当者もシステム上に検査結果を受領していない旨が表示されていたにもかかわらず運航乗務員に確認するなどの適切な対応を行わなかった結果、乗務前検査が実施されないまま当該運航乗務員が当該便に乗務したこと等が確認されました。

 このようなことから、当該機長については意図的に違反行為を行ったうえで虚偽の説明を行った悪質な違反行為であり、また、同社のアルコール検査体制が適切に機能しておらず、同社の安全管理システムが十分に機能していないものと認められたとし、ピーチに対し厳重注意を行い、再発防止策を検討の上、2025年3月7日までに再発防止策を報告するよう国交省は指示しています。Photo : Peach Aviation

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