オーストラリア競争当局(ACCC)は、ヴァージンオーストラリア航空がカタール航空機をウェットリースする計画を最終承認したことを発表しました。
このウェットリースにおいては、ヴァージンオーストラリア航空がカタール航空機をウェットリース(乗員&機体のリース)して国際線を拡大するもので、事実上カタール航空が運航便数を拡大するものです。
現在ヴァージンオーストラリア航空は、長距離路線が運航可能な機材を保有しておらず、オーストラリアのエアラインが使用可能な長距離国際線発着枠はカンタス航空が独占している状態となっていますが、今後カタール航空はルールの抜け道ともとれる方法でオーストラリアへの運航便数を拡大します。
ACCCは、この計画を2024年11月に暫定承認したものの、最終承認までに議論の余地があるとしていましたが、最終的に以下の理由で承認とし、2025年6月からヴァージンオーストラリア航空は長距離国際線に再進出することが決まりました。なおAnna Brakey委員長が示した最終承認理由は以下の通りです。
『今回の計画はオーストラリアと中東間のフライトの便数の増加など、公共の利益をもたらす可能性があり、公共の不利益は最小限、あるいは全くない可能性が高いと考えている。
また路線の価格が下がる圧力がかかる可能性が高く、ヴァージンオーストラリアとカタール航空の顧客は、接続性やロイヤルティプログラムの特典が追加された国際便の選択肢が増えることになる。
仮にこの計画が認可されなくとも、ヴァージンオーストラリアや他のオーストラリアの航空会社が今後5年間でオーストラリア~ドーハ線を単独で運航する可能性は低いと考えられ、オーストラリアの航空業界の労働力に重大な悪影響を及ぼす可能性は低いと考えている。』Photo : ACCC