中国政府は、自国エアラインに対してボーイングから航空機を受領しないよう指示したことがわかりました。
これはBloombergが報じたもので、同政府は、アメリカのトランプ大統領が推し進める中国への追加関税を受け、自国エアラインに対し、ボーイングから航空機を受領しないこと、航空機機器・部品の購入しないよう指示しました。既に吉祥航空は、787-9型機の受領を停止しており、今回の指示を受けた措置とみられます。
現在の関税政策においては、中国はボーイング機を導入するコストが従来の2倍程度にまで膨れ上がっていることから、アメリカ政府に対抗する意味も含めて今回のような判断に至ったとみられています。
ボーイングは、中国エアラインから約130機の発注を受けている状況となっており、今後この契約がどのようになるのかも不透明な状況となっており、この状況はボーイングにとっても痛手です。
なお中国エアラインが代替機を検討したとしても、エアバスは多くの機種において早期納入可能分は売り切っており、新規発注分は数年以上先となることから、ボーイング機を受領できないことは中国エアラインにとっても事業計画の変更を迫られるものとなり、現在の関税政策は両国側企業にとって損害をもたらすものとなりそうです。Photo : Boeing