トランプ政権の関税政策により混乱が続くアメリカの航空業界ですが、多くのエアラインが現政策に否定的な立場をとる中、ユナイテッド航空は、この政策を称賛し他社とは違う立場を示しており、これは何らかの思惑があるとの憶測が広まっています。
既報の通り、デルタ航空やアメリカン航空は、追加関税によりエアバス機の導入コストの増加が予想されることから、米航空業界にとって間違ったアプローチであるとの認識を示していますが、対照的にユナイテッド航空のScott Kirby CEOは現在もトランプ政権の政策を称賛しています。
4月24日には、ワシントンで開催された講演会において同CEOは「現在はチェスゲームの最初の一手で、これから多くの動きが待っている」と述べ、引き続きトランプ政権を称賛する内容の講演を行ったと現地メディアは報じています。
この一連の政権支持の表明は、現地では驚きをもって伝えられており、実際に関税政策の影響により、ユナイテッド航空の株価は大幅に下落しており、負の面が大きいと思われる同社が一貫してトランプ政権を支持している理由は、何らかの理由があると現地識者は指摘しています。
憶測に過ぎないものの、今回の支持する背景にあるものは、予てから噂されているジェットブルー買収の存在があるとされており、仮に買収意向を示した際には当局の審査が行われることから、政権との繋がりを強化してこの審査を有利に進めたい思惑があるのではとの推測がなされており、これが同社が一貫してトランプ政権を支持する理由との見方があります。
現在までの全ての真偽は不明ですが、時間の経過と共に、あらゆることが今後明るみになる可能性もあり、今回の関税をめぐっては各社の動きに注目が集まります。Photo : Scott Kirby