2025年5月9日、国土交通省は、スプリングジャパンに対して運航乗務員の不適切な行為及び不十分な安全管理体制について厳重注意しました。
問題があったのは、2025年3月18日の北九州発羽田行きの貨物便となるSJO444便となり、同便の機長が結果として乗務時に酒気を帯びてはいなかったものの、運航規程を逸脱した手順で乗務前アルコール検査を実施し当該便に乗務した事案が発生し、同日中にスプリングジャパンから報告がありました。
その後、同社が詳細な事実調査を実施したところ、当該機長本人は否定し続けているものの、客観的データから当該機長が同社の運航規程に定める飲酒に係る制限(飛行勤務開始前12時間以内の飲酒を行ってはならないこと、又は飛行勤務開始12時間前に体内に残存するアルコール量を4ドリンク相当以下とする量を超えて飲酒しないこと)に抵触していたことを確認した旨、4月22日に追加の報告がありました。なお当該機長はアルコールの検知は栄養ドリンク等の影響によるものと説明しています。
運航規程において乗務前アルコール検査は出頭時に行うこととされているが、当該機長は出頭時に速やかに乗務前アルコール検査を実施せず、出頭後もアルコールが検知されなくなるまで自主検査を繰り返し、また、当該便の副操縦士を含め他の関係職員は当該行為に疑念を持たず、結果として当該機長による当該便の乗務が行われたこと等が確認され、同社のアルコール検査体制が適切に機能しておらず、同社の安全管理システムが十分に機能していないものと認められたことから、本日付けで同社に対して厳重注意を行っています。
なお国交省は、再発防止策を検討の上、2025年5月30日までに再発防止策を報告するよう指示しています。Photo : Spring Japan