FSC 事故・トラブル 航空ニュース

ルフトハンザドイツ航空、昨年の運航便において約10分間事実上パイロットが不在状態で飛行したいたことが明らかに

 2024年2月17日にルフトハンザ航空のフランクフルト発セビリア行きLH1140便で起きた緊急着陸したトラブルにおいて調査報告書が発表され、約10分間にわたり操縦者が不在状態であったことがわかりました。

 このトラブルは、機長がトイレでコックピットを出た際に副操縦士の体調に異変が生じ、機長がコックピットに入れなくなったものとなります。

 トラブル時機長は、コックピットに入れなくなったことから、A321に搭載されているドアの緊急コードを入力しましたが応答がありませんでした。この緊急コードを入力すると、コックピットに通知がなされ、操縦席にて入室を許可するかしないかを選択することになり、応答が無く一定時間が経過すると自動で開錠されるものとなります。

 実際には自動開錠する以前に副操縦の体調が一時的に回復し開錠することになりましたが、約10分間わたり操縦士不在の状態で自動操縦となっている状況となっており、監視業務が行われず危険な状態となっていました。またこの副操縦士は、誤ったラダー操作などを行っていたことも明らかになっています。

 なお副操縦士は、後の診察において、てんかんのような発作であったことが判明し、航空身体検査で判明しなかった神経疾患を患っていたことが明らかになっています。

 このようなことから、スペインの事故調査当局は、「権限を与えられた別の人物がいれば、副操縦士の無能力状態を素早く発見できて他の乗組員に警告することができ、操縦室のドアを開けて機長が速やかに機内へ入り、操縦を再開することができただろう」と結論付けています。Photo : Lufthansa

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