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中国当局、2022年の中国東方航空の墜落事故原因の公開を拒否「情報公開は国家の安全と社会の安定を脅かす恐れがある」

 2022年3月21日に起きた中国東方航空が運航する昆明発広州行きのMU5735便が山間部に墜落した事故において、中国当局は事故原因の公表を拒否していることがわかりました。

 この事故では、ほぼ垂直に地表に墜落したことがわかっており、この衝撃で乗員乗客132名が犠牲となっています。これまでにブラックボックスが回収され、解析も終わり同局は報告書を発表しましたが、事故原因についての公表は避けています。

 報告書においては、航空機への管制指示や無線通信に異常はなく、現場付近は悪天候ではなく、機体は危険物を積んでおらず、パイロットは十分な資格を有していたとまでが公表され、この事故は非常に複雑で稀な事故であると表現しています。またこの報告書の公表に伴い情報公開請求が申請されましたが、同局は「情報公開は国家の安全と社会の安定を脅かす恐れがある」としてこの申請を却下しています。

 これにより事故原因は不明なままで、事故からの教訓を受けることができなくなったことになり、各国の識者が批判する事態となっています。なおこれまでの情報では、何者かが意図的に墜落させたとの見方があります。

中国東方航空の昆明発広州行きのMU5735便が墜落 機材はB737-800【動画あり】

墜落した中国東方航空MU5735便は、故意に墜落させられた可能性が有力

中国東方航空、墜落した機体と同型のB737-800型機の全機の運航を停止 事故機はほぼ垂直に落下した模様