FSC 編集部おすすめ記事 航空ニュース

【注目】ユナイテッド航空とアメリカン航空が統合の可能性

 アメリカの航空業界に、これまでにない巨大な再編の動きが浮上しています。ユナイテッド航空のスコット・カービー最高経営責任者(CEO)が、競合するアメリカン航空との経営統合の可能性について、米政府高官に打診していたことが明らかになりました。ブルームバーグをはじめ、ロイター通信や投資情報サイトのインベスティング・ドットコムなど、アメリカの主要メディアが一斉にこの衝撃的なニュースを報じています。

 報道によると、カービーCEOはワシントンでの会談において、アメリカン航空との統合による相乗効果を政府側に提示したとのことです。

 現在、両社はそれぞれ1,000機を超える膨大な数の機体を保有しています。もしこの統合が実現すれば、保有機数や旅客輸送量において現在首位のデルタ航空を大きく上回り、名実ともに世界最大のメガキャリアが誕生することになります。

 今回の打診の背景には、規制緩和を掲げるトランプ政権の発足があると分析されています。これまでのバイデン政権下では、司法省が航空会社同士の提携や買収に対して非常に厳しい姿勢を取ってきました。しかし、政権交代によるビジネス優先の風潮を好機と捉え、カービーCEOが業界構造を根本から変えるための観測気球を上げたものと見られています。また予てからトランプ政権に対して一貫して支持姿勢をとっていた同CEOの動きも、これに関連していたと考えることもできます。

 一方で、この構想の実現には数多くの困難が予想されます。まず独占禁止法の壁があり、主要なハブ空港でのシェアが圧倒的になるため、運賃高騰を懸念する当局が厳しい審査を行うことは避けられません。またアライアンスの問題もあり、スターアライアンスのユナイテッド航空とワンワールドのアメリカン航空が統合すれば、世界の航空ネットワークを支える提携枠組みそのものが崩壊する恐れがあります。

 現時点でアメリカン航空や米政府当局は公式なコメントを控えていますが、このニュースを受けて業界には大きな波紋が広がっています。航空業界全体を揺るがすこの大胆な構想が、具体的な交渉へと進展するのか、あるいは当局による拒絶に遭うのか。世界の航空関係者や投資家たちが、その一挙手一投足に注目しています。Photo : Scott Kirby

ユナイテッド航空CEOの過去を知るとアメリカン航空との統合案はさらに興味深くドラマがある

ユナイテッド航空CEO、トランプ関税で自社株が大幅下落もトランプ大統領を称賛

ジェットブルーが身売りを検討、ユナイテッド航空やアラスカ航空などが有力候補に浮上