国土交通省の最新の速報データによると、2025年の全国の航空機への鳥衝突(バードストライク)件数は1,729件に上りました。空港別の全体発生件数を見ると、羽田空港(東京国際空港)が152件で最多となり、次いで那覇空港が110件となっています。

一方、航空機が特に影響を受けやすい「離着陸滑走中」に限定した2020年から2025年のデータ推移を見ると、状況は少し異なります。離着陸滑走中の鳥衝突件数において、2025年は那覇空港が85件で全国最多となり、前年の93件からは減少したものの、依然として高い水準にあります。次いで東京国際空港(羽田)が74件、宮古空港が28件と続いています。

衝突した鳥の品種別データでは、「ツバメ」が最も多く確認されました。2025年に特定された鳥の品種のうち、ツバメは156件で最多であり、次いでスズメ(110件)、トビ(90件)などが上位を占めています。ツバメなどの鳥類は、低空飛行で地上付近のえさを捕食する特徴があり、滑走路周辺に集まりやすい傾向があります。

こうしたバードストライクを未然に防ぐため、各空港では新たな環境対策が検討されています。注目されている取り組みの一つとして、滑走路周辺の緑地帯における「人工芝」の導入が挙げられます。熊本空港などでは、緑地帯の一部を人工芝化することで、鳥のえさとなる昆虫や鳥自体を寄せ付けない環境づくりに着手・検討しています。今後は、人工芝の剥がれや飛散に関する実験方法、耐久性や排水性、そして設置・維持費用の課題についてさらに検討が進められる予定です。航空機の安全運航に向けて、鳥の生態に基づいた効果的な防除手法の確立が期待されています。Photo : 国土交通省




