機材 航空ニュース

ボーイング、737MAX10の最大ブレーキエネルギー試験を完了 型式証明取得へ大きく前進

 ボーイングは2026年4月21日、開発中の「737 MAX」シリーズの最大派生型である「737-10(737MAX10)」について、カリフォルニア州のエドワーズ空軍基地にて最大ブレーキエネルギー試験(Maximum Brake Energy test:MBE試験)を実施し、完了したことを発表しました。この試験の完了は、同機の型式証明取得に向けた極めて重要なマイルストーンとなります。

   

 最大ブレーキエネルギー試験は、航空機が安全に運航できることを証明するための数あるテストの中でも、最も過酷なものの一つとして知られています。今回の試験では、機体の重量を最大離陸重量まで重くした上で、ブレーキパッドをあえて交換基準の限界まで摩耗させた状態のカーボンブレーキが使用されました。

 テスト機は滑走路を滑走し、離陸を安全に取りやめることができる限界の速度である離陸決心速度(V1)に到達した直後に、推力逆転装置(スラストリバーサー)を使用せず、車輪のブレーキのみで急停止を行いました。これは、離陸直前に重大なトラブルが発生し、滑走路内で緊急停止しなければならないという最悪のシナリオを想定したものです。

 極限状態での急停止により、ブレーキシステムは白熱してオレンジ色に発光し、膨大な熱エネルギーが発生しました。ボーイングによると、ブレーキが最高温度に達した状態からさらに5分間待機し、その間に火災が発生しないこと、また火災が起きた場合でも指定された時間内に自然鎮火、あるいは安全に消火できることが確認されました。この5分間という時間は、実際の緊急事態において、空港の消防・救助隊が機体に到着するまでの時間を想定した厳しい基準です。

 737-10は、ベストセラー機である737MAXシリーズの中で最も胴体が長く、最大で230席を配置できる機体です。より多くの乗客を乗せながらも、従来機と比較して燃料消費と二酸化炭素排出量を大幅に削減できるよう設計されており、世界の多くの航空会社から期待を集めています。

 今回の厳しいブレーキテストを無事にクリアしたことで、737-10は安全性と信頼性を改めて証明し、商用運航の開始に必要な型式証明の取得に向けて大きな一歩を踏み出しました。ボーイングは引き続き、最終的な証明取得と顧客への初号機納入に向けた各種テストと手続きを進めていく方針です。なお国内では、スカイマークが2027年度からの受領を予定しています。Photo : Boeing

ボーイング、737MAX10の認証が2026年後半に取得できると予測

ボーイング、777X(777-9)にて350kmから急停止しブレーキが1,300度超に達するブレーキテストに成功

国交省、ボーイング737-8型機(737 MAX)に型式証明を交付 国内3社が計81機導入へ