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中国東方航空A350-900、上海・虹橋空港でボーディングブリッジに連続衝突 原因はブレーキ喪失に伴う逆噴射の反動か

 2026年5月2日、上海虹橋国際空港において、中国東方航空が運航するA350-900型機がスポットへの進入時に停止できず、ボーディングブリッジに衝突する事故が発生しました。同機は衝突直後にスラストリバーサー(逆推力装置)を作動させて後退した後、再び前進して二度目の衝突を起こすという極めて特異な挙動を見せましたが、乗客乗員に怪我はありませんでした。

 同社が事故当日の午後に発表した声明によりますと、成都発・上海虹橋行きの当該便は、着陸後にゲートへ接近する過程で「機械的な故障」に見舞われました。乗務員は直ちに定められた手順に従って対応したものの、機体の一部がボーディングブリッジに接触したということです。乗客は全員無事に降機し、一人当たり300元の補償金が支払われました。現在、故障の具体的な原因については詳細な調査が進められています。

 航空機のゲート接近時におけるスラストリバーサーの作動は通常ではあり得ない操作ですが、エアバス機の緊急時操作マニュアルにおいては、ブレーキシステムを喪失した際の初期対応として、スラストリバーサーによる逆推力の使用が規定されています。今回の異常な挙動も、パイロットがブレーキの効かない機体の前進を食い止めるための最終手段として、マニュアルに沿ってスラストリバーサーを手動で作動させた可能性が高いとみられています。

 さらに事態を複雑にしたのが、一度後退した機体が再び前進へと転じ、二度目の衝突を招いた点です。これはジェットエンジン特有の構造に起因すると考えられます。パイロットが後退を防ぐためにスラストリバーサーを解除(収納)した際、高回転になっていたエンジンが安全なアイドリング状態まで回転数を落とすには数秒のタイムラグを要します。ブレーキが機能していない状態でスラストリバーサーが収納されると、エンジン内に残っていた高い推力がそのまま前方への推進力へと切り替わり、結果として機体を再び押し出してしまうメカニズムです。

 パイロットによるマニュアル通りの緊急対応と、狭いスポット周辺におけるジェットエンジン推力制御の限界が重なった結果、機体がコントロールを失う連鎖反応を招いたのが今回の事故です。大惨事には至らなかったものの、今後の詳細な事故調査報告が待たれます。

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