フェデックスが保有するMD-11Fが再び商用の舞台へと舞い戻りました。2025年秋から続いていた全機地上待機という事態を乗り越え、ついに運航が再開されました。
運航再開の第一便となったのは、2026年5月10日に運航されたFX985便です。使用された機体は「N621FE」で、同日午後4時すぎに同社の本拠地であるメンフィス国際空港を離陸。約2時間の安定した飛行を経て、目的地であるフロリダ州のマイアミ国際空港に無事着陸しました。
このフライトは、2025年11月以来、FAA(アメリカ連邦航空局)の指示により運航を停止していたMD-11Fにとって、約半年ぶりの営業運航となり、航空ファンや業界関係者が注視する中での復帰となりました。
今回の長期にわたる地上待機は、2025年11月に発生したUPSのMD-11Fによる事故が発端でした。事故調査の結果、エンジンを支えるパイロン部分に金属疲労による亀裂が見つかり、FAAは同型機を運用する全社に対し、緊急の点検と改修を命じていました。この事態を受け、UPSは、改修コストと機体の経年を考慮して、同型機の全機退役という苦渋の決断を下しました。しかし、フェデックスは異なる道を選択します。旺盛な貨物需要に対応するため、コストを投じてでもMD-11Fの安全性を強化し、運用を継続することを決定しています。
フェデックスは現在、29機のMD-11Fを保有していますが、今回のN621FEを皮切りに、改修を終えた機体から順次戦線へと復帰させる計画です。当初は2028年頃の退役が噂されていましたが、同社は最新の計画において、MD-11Fの運用期限を2032年まで延長する計画としています。
燃費効率の面では最新の双発機(777Fなど)に譲るものの、優れた積載能力と、三発機ならではの力強いパフォーマンスは、依然としてフェデックスのグローバルネットワークにおいて重要な役割を担っています。効率化の名の下に多くの三発機が姿を消していく中、徹底した安全対策を施して復活を遂げたフェデックスのMD-11F。その独特のシルエットは、これからも2030年代に向けて世界の空を彩り続けることになります。Photo : Fedex




