ボーイングが、次世代の主力機となるナローボディ機の開発に向けた社内研究を本格化させていることが、BloombergおよびWSJの相次ぐ報道で明らかになりました。同社は2027年にも本格的な準備作業を開始し、2030年代半ばから後半にかけての就航を目指す方針です。
Bloombergの報道によると、ボーイングはかつてNASAなどと共同で検討していた「遷音速トラス構造翼(TTBW)」のような革新的な設計案への依存度を下げ、より手堅い「チューブ・アンド・ウィング(筒型胴体と主翼)」構造へと軸足を移しています。これは、開発リスクを最小限に抑えつつ、型式証明の取得プロセスを円滑に進めるための戦略的な方針転換とされています。
この新型機は、現在エアバスの「A321neo」ファミリーが市場を席巻しているナローボディ機の大型クラスを主なターゲットとしています。かつて「NMA(新中型機:通称797)」として構想されていた市場セグメントを再定義し、現在の737MAX10を上回るキャパシティと、次世代エンジンによる高い運航効率の両立を狙います。
水面下でのサプライヤーとの協議も進んでいます。WSJは、ボーイングのケリー・オルトバーグCEOがロールス・ロイスなどの主要エンジンメーカー幹部と直接面会し、次世代機向けのパワープラントについて協議を行ったと報じました。目標は現行機比で最大20%の燃費改善です。また、社内ではすでに新型機向けのフライトデッキの初期設計が始まっているほか、民間機部門において新機種開発の豊富な経験を持つリーダーが任命されるなど、開発体制が整いつつあるということです。
ボーイングが次世代機開発を急ぐ背景には、中距離・高需要路線におけるA321neoおよび超長距離型A321XLRの独走状態があります。737MAXシリーズが品質問題や認証の長期化に直面する中、同社にとってこの次世代プロジェクトの成功は、失われた市場シェアの奪還と信頼回復に向けた至上命題となっています。
さらに、今後日本国内においても、人口減少に伴う運航機材のダウンサイズ化が進むとみられ、こうしたナローボディ機の需要は高まることが予想されます。日本の航空会社の多くがこれまでボーイング機を主力として採用してきた背景もあり、次世代機開発を巡る同社の動向には、国内の航空業界からも熱い視線が注がれることになりそうです。Photo : Boeing
エアバス、A320neoの後続機の位置づけの次世代ナローボディ機の計画を発表 オープンファンエンジンの採用を検討し主翼は折り畳み式




