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エアインディア、過去3年で1,000人超を解雇 備品窃盗や不正横行でタタ体制下で進む「血を流す」組織浄化と経営の現在地

 インドのフラッグキャリアであるエアインディアにおいて、過去3年間で1,000人以上の従業員が倫理規定違反により解雇されていたことが明らかになりました。この衝撃的な事実は、インド現地の複数の主要メディアによって一斉に報じられています。

 これは、退任を控えるキャンベル・ウィルソンCEOが従業員向けの全体会議にて公表したとのことです。解雇の具体的な理由としては、機内備品の窃盗、乗客の超過手荷物料金の不正な免除、そして従業員向けレジャー旅行制度の悪用などが挙げられています。特に旅行制度の不正利用に関しては、全従業員約2万4,000人のうち4,000人以上が関与していた疑いが浮上しています。ウィルソンCEOは「誰も見ていないところでも正しく行動する」よう求め、企業文化の根本的な変革を強く訴えかけました。2022年のタタグループによる買収以降、長年の悪習を断ち切るための厳しい組織改革が進められている実態が浮き彫りとなっています。

 こうした大規模な綱紀粛正の背景には、同社が直面している極めて厳しい経営環境があります。中東情勢の緊迫化に伴うイラン領空の制限やパキスタン領空の迂回飛行などにより、飛行時間が増加し燃料費が急騰しています。巨額の赤字が見込まれるなか、会社側は昇給の凍結や裁量支出の削減といった厳しいコストカットに踏み切りました。この影響は路線網にも及んでおり、北米路線や欧州路線の減便・運休など、長距離国際線のネットワークを一時的に縮小して耐え凌ぐ構えです。

 さらに現地の報道では、倫理問題以上に深刻な課題として、運航の安全性と技術的なトラブルの多発が指摘されています。インド民間航空省の指摘などから、同社機材の多くで技術的な欠陥が繰り返し確認されていることが判明しており、過去の重大なインシデントを含め、運航品質に対する懸念が強まっています。

 かつての国営時代の放漫経営からの脱却を図る同社ですが、長年のメンテナンス投資不足のツケは依然として重くのしかかっています。経営陣はエンジニアリング部門の強化や部品在庫の拡充、人材育成への投資などを約束していますが、インド航空当局の厳しい監視下において、「従業員のモラル向上」と「安全運航の立て直し」という二つの巨大な課題の同時解決に迫られています。Photo : Air India

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