アメリカの貨物エアラインであるウエスタングローバルエアラインズが、運航停止措置を受けていたマクドネル・ダグラスMD-11F型機の運航を再開したことが明らかになりました。
2026年5月21日、同社が保有するMD-11F(N781SN)が、拠点であるフロリダ州のフォートマイヤーズを離陸し、オハイオ州のリッケンバッカー国際空港に向けて約2時間のフライト(KD8187便)を実施しました。同機は5月中旬から地上でのエンジンテストなどを行っており、今回のフライトで正式なライン復帰果たしたとみられます。
MD-11型機を巡っては、2025年11月にケンタッキー州ルイビルで発生したUPS航空機の墜落事故を受け、FAA(アメリカ連邦航空局)が安全性の確認が取れるまで全世界の同型機に対して運航停止措置を下していました。この影響により、保有するワイドボディ貨物機の約8割をMD-11Fが占める同社は、数ヶ月にわたり事実上の運航停止に追い込まれるなど、事業への深刻な打撃を受けていました。
運航再開にあたっては、今週ワシントンで開催されたNTSB(国家運輸安全委員会)の公聴会などを通じて、FAAと製造元のボーイングが定めた新たな安全基準が判明しています。当初懸念されていた大規模かつ長期に及ぶパイロンの構造改修ではなく、「エンジンマウントの球状ベアリングを4,000サイクル(離着陸回数)ごとに交換し、関連箇所の検査を大幅に強化する」というプロトコルが策定され、5月中旬にFAAから正式にゴーサインが出されました。
これにより、世界最大のMD-11Fオペレーターであるフェデックスが5月10日に運航を先行して再開したのに続き、ウエスタングローバルエアラインズも復帰への第一歩を踏み出した形です。同社が保有する残りの6機についても、同様の検査およびベアリング交換を終え次第、順次戦線に復帰するものとみられます。深刻な運航停止の危機を乗り越え、貴重な3発エンジン貨物機が再び世界の空へ戻り始めました。Photo : Western Global Airlines




